劇団ひとり「陰日向に咲く」を読みました(初めの3編) | 親愛なる人に-読書の薦め

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読んだ本の感想などを、本屋さんで見かける推薦文のように綴ります・・・お薦め度合いは、☆の数で評価します。親愛なる本好きの人たちに,このブログを届けたいです.

劇団ひとり
陰日向に咲く ☆☆☆+ 冬幻舎2006年1月 220p

タイトルが印象的な,劇団ひとり「陰日向に咲く」を読みました.今売れているようです. 5つの話が入っていますが,それぞれの話の主人公が,他作の話のどこかに顔を出すというような作りの連作短編になっています.
まずは初めの三編から・・・

「道草」
ある男が,週末だけホームレスになるという話.最後にはちょっと皮肉なオチがついています.


「拝啓,僕のアイドル様」
あるアイドルに入れ込む青年の話.とにかく入れ込んでいく青年,アイドルに入れ込むことが決して叶わぬ恋だと知っていても入れ込む青年・・・
やがて,過去の自分の好きだった人の思い出と重なっていきますが,その初恋の人への思いが印象的です..
消しゴムを拾ってもらったその人に「ありがとう」といえずに後悔し,数分後に「さっきはありがとう」と言えずに後悔し,次の日「昨日はありがとう」が言えなくて後悔し,中3のとき,彼女が転校するときも,結局,「ありがとう」の一言が言えなかった主人公でした・・・


「ピンボケな私」
フリーターの彼女は,地元の飲み会で,周りの友人が夢を語っているときに,自分だけは夢がないと焦り,「自分の夢はカメラマンになること」と,言ってしまいます・・・
主人公がデジカメを買うのですが,メモリーカードの使い方がわからず四苦八苦するところが,ちょっと,ブラックな感じで印象に残りました.


後り2編は、こちらです・・・