劇団ひとり「陰日向に咲く」を読みました(残りの2編) | 親愛なる人に-読書の薦め

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読んだ本の感想などを、本屋さんで見かける推薦文のように綴ります・・・お薦め度合いは、☆の数で評価します。親愛なる本好きの人たちに,このブログを届けたいです.

劇団ひとり
陰日向に咲く 冬幻舎2006年1月 220p
☆☆☆+

タイトルが印象的な,劇団ひとり「陰日向に咲く」を読みました.
リリー・フランキーの東京タワーもそうですが,イメージがお笑いの芸能人(自分の中だけですが)の書く文章がどことなく純分学風なのはなぜでしょうか???
連作短編の,残りの2編を読みました.

初めの3編の紹介はこちらです・・・


「Overrun」
主人公は,35歳独身のギャンブラー好きの男.いよいよ借金にも困り振り込み詐欺を思いつくのですが,小市民ゆえ,なかなかうまくいきません・・・
なぜパチスロにはまりこむのか,競馬にハマるのか,少しわかった次第です.題名も絶妙です.
「鳴き砂を歩く犬」
都会に出てきて自分探しをする女.その女は,中学生時代に出会ったつまらないネタをする芸人を心のどこかで探すのでした.どの短編も,主人公の語りのような感じで書かれているのですが,この話だけは,ダブルキャストです.
ここに出てくる主な登場人物は口べただったり,多重債務者だったり,オチこぼれだったり...相手に自分の思いがうまく伝えられません.でも,そういうところ,だれにも大いにありますよね,そこが読んでいて共感をよぶのでしょうね.読みやすく,一気に読んでしまいました.
ブラックな笑いもちりばめられており,どことなくコントのネタでもあるようですが,でも純文学の香りがする連作短編でした.

最近,芸(能)人たちの本のベストセラー,も多いですね.なぜか,感動ものが多かったりします.

リリー・フランキー  東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~ 島田洋七「佐賀のがばいばあちゃん」

も読みました.よかったら寄ってみてください.


リリー・フランキー
東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
島田 洋七
佐賀のがばいばあちゃん