ゲーム理論(P&G) -その9- | 株右衛門の経済&投資講座

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しぶさわ太郎です。

 

今日もゲーム理論の続きです。

そろそろ終盤です。

 

Gilletteの新製品であるHeated RazorについてのDicision treeを図にした(サブゲースアナリシス)。

Gilletteは、Heated Razorを発売したが、Dollar Shave Clubの動きは「No reaction」であった。

 

また現時点においてDollar Shave Clubは、Heated Razorと競合する高機能市場へは参入していない。

 

Dicision treeが示すように高機能Razor市場においてはDollar Shave Clubが参入していないので、Gilletteが勝者となる可能性が高い。

またHeated Razorは正式販売前にテスト販売を行った結果、Heated Razorはすぐに完売した。

しかしHeated Razor価格は$150と非常に高い。したがって低価格志向のDollar Shave Clubの顧客層がHeated Razorへスイッチして購入するかどうかについては不透明な部分が多く、今後の販売動向を注視する必要がある。

 

 

これまで考察してきたように米国のBlades and Razorsのオンライン市場は、競合との価格競争が激しいレッドオーシャンである。

P&Gとユニリーバは、GilletteとDollar Shave Clubというブランドでこの市場で、激しい価格競争を行っている。その結果、現在の各社の主力製品価格のrazor or cartridgeあたりの価格は均衡している。

またサブゲームにおいてこれまでに存在していなかった技術を活用した高機能製品が開発されている(GilletteのHeated Razor)。

現時点において、Dollar Shave Clubはこのサブゲームに参入していないが、将来的に参入する可能性もあり、メインゲームと交差する可能性もあると考える。

 

この競争の激しい米国のBlades and Razorsのオンライン市場でさらに売上シェアを伸ばし、利益を拡大するためには価格攻勢だけではないアプローチを行うことが必要である。

 

続きは次回で。