ゲーム理論(P&G) -その7- | 株右衛門の経済&投資講座

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しぶさわ太郎です。

 

またまたゲーム理論の続きです。

 

Dollar Shave ClubはBlades and Razorsを主な事業にして2012年に創業した。Dollar Shave Clubの社名は、Dollar=1ドルで、Shave=髭が剃れる、Club=会員制サービスから由来している。

Dollar Shave Clubは製品を必要最小限の機能にすることで、これまでに見たことがない低価格でオンラインの定期購入サービスで販売している。この定期購入サービスは話題を呼び、2012年の創業から4年で売上$200Mn(220億円)まで拡大し、会員数も320万人までに成長した。

そして2016年にUnileverが、Dollar Shave Clubを推定10億ドルで買収した。現時点ではDollar Shave Clubの主な販売先は、米国・オーストラリア・カナダ・イギリスの4カ国であるが今後、Unileverの販売網が活用されば世界的に販売される可能性が高く、P&G(Gillette)や他のメーカーにとって非常に驚異のある存在となっている。

 

Dollar Shave Clubに対抗するためにGilletteは、2014年にThe Gillette Shave Clubというオンデマンドの定期購入サービス開始した。

 

GilletteのThe Gillette Shave Clubにおける2014年の各製品価格は、以下の通りである。

 ・Sendor3®:$10

 ・Mach® :$10

 ・Fusion® proshield:$20

 

Dollar Shave Clubの2014年の各製品価格は、以下の通りである。

 ・THE HUMBLE TWIN:$2

 ・THE 4X:$4

 ・THE EXECUTIVE:$9

 

Gilletteは、Dollar Shave Clubの出現以降、彼らの低価格戦略にかなり苦しめられていた。Gilletteは当初、各製品を$10~20で販売することでシェア奪還を図った。しかし2015年第3四半期のe-commerceのBlades and Razors市場のGilletteのシェアは21%になったが、Dollar Shave Clubは54%のシェアであった。

2016年にはこれまでBlades and Razorsに参入していなかったユニリーバが、Dollar Shave Clubの事業の可能性を見込み、推定約10億ドルで買収した。ユニリーバの支援を得たDollar Shave Clubは、Gillette(P&G)にとってまさに真の驚異の存在となった。

 

Gillette(P&G)は、ユニリーバの支援を得たDollar Shave Clubを一挙に一掃するために、2017年に一部のGillette製品の価格を最大20%下げた。GilletteのBlades and Razorsにおけるシェアが年々大きく低下する中で、挽回を図るべき価格を大きく下げるという大きな判断を行なった。

 

そして現在、GilletteのThe Gillette Shave Clubにおける各製品価格は、以下となっている。

 ・Sendor3®:$7

 ・ Mach® :$7

 ・Fusion® proshield:$17

 

またDollar Shave Clubの製品価格においても創業当初の販売価格より少し値段が上がっており、現時点の製品価格は以下となってる。

 ・THE HUMBLE TWIN:$4

 ・THE 4X:$7

 ・THE EXECUTIVE:$9

 

続きは次回のブログで。