ゲーム理論(P&G) -その6- | 株右衛門の経済&投資講座

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しぶさわ太郎です。

 

ゲーム理論の続きです。

 

2017年度の米国のGrooming市場は8,717USDmillionで2016年と比較して1%市場規模が拡大した。

またMen's Razors and Bladesの2017年度の市場規模は2252.9USDmillionで2016年と比較して8.3%市場が縮小した。

Men's Razors and BladesはGrooming市場の約26%を占める非常に大きな市場である。

 

この市場はP& GのGillette 、Edgewell Personal Care Brands LLCのSchickの2つのブランドの寡占市場であったが、Unilever GroupのDollar Shave Clubなどが加わったことで競争が激しい市場となった。これらの新興企業はオンライン販売で積極的な価格攻勢を行い、伝統的なブランドであるGillette、Schickを苦しめた。

Gilletteは、オンデマンドのジレットシェーブクラブを立ち上げ、製品の値下げや新しい顧客セグメントを引き付けるための低価格ラインの拡大などを行っているが、現時点ではいずれも成功しているとは言えない。その結果として、図5が示すように 米国のMen's Razors and BladesにおけるGilletteブランドシェアは2014年には65.4%あったが、2017年は53%まで低下している。一方、Dollar Shave Clubはシェアを増加しており、2017年度には9.4%のシェアを保有している。

 

 

Gilletteにとって最も驚異のある競合を特定するために、The Conjectural Variation (CV) Matrix を作成した。

 

 

Gilletteの主な競合は従来からSchickであるが、オンラインビジネスを含めて検証するとDollar Shave ClubがGilletteの競合になることがわかった。

現在のRazors and Blades市場は、デジタルトランスフォーメーションの拡大により、競争の場所は、オフラインのリテール店舗からオンラインへの比率が高まっている。

また競合の考察を行うにあたり、価格だけではなく、サブスクリプションビジネスや、新たな買収やスピンオフなどの動きも非常に重要な要素である。Dollar Shave Clubは、オンラインにてサブスクリプションビジネスを展開し、ターゲットをGilletteユーザーに定め、彼らの製品を批判するマーケティング活動で、マーケットシェアを大きく拡大している。

またDollar Shave Clubは消費財のほとんどのカテゴリーで世界的に競合するユニリーバグループに所属しており、ユニリーバの資本を活用した新たな買収また事業拡大(販路拡大など)も行われる可能性がある。

これらの理由から、Gilletteブランドにとって最も驚異のある競合は、「Dollar Shave Club」であると特定した。

 

続きは次回のブログで。