ゲーム理論(P&G) -その3- | 株右衛門の経済&投資講座

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しぶさわ太郎です。

 

P&Gのゲーム理論の続きです。

 

P&Gで売上比率が高いBusiness segmentは、”Fabric & Home Care” と ”Baby, Feminine & Family Care”である。この2つのビジネスセグメントで net earnings ratioの約50%を占めている。

 

”Beauty”と”Grooming”は、売上高比率(29%)に対して、高収益率(37%)のBusiness segmentである(以下図参照)。

 

Beauty business segmentはハイクオリティ商品であるSK-2などの売上が増加していることで非常に売上が好調なセグメントである。

Grooming business segmentは、P&GのGilletteブランドが高いシェアを保有しているが、2010年にDOLLAR SHAVE CLUBなどの競合の出現したことにより、シェアそして販売価格は大きく下落しており、販売環境は非常に厳しい状況となっている。

 

                              2018      Change vs.2017        2017              Change vs.2016    Unit: millions

  Net sales             6,551              1%                    6,642                        3%

      Net earnings      1,431             7%                    1,537                         1%

 

P&GはGrooming business segment市場の中でマーケットリーダーの1社である。P&Gはこの市場でシェービングケアと電気カミソリなどの機器を販売している。代表的なシェービングケア商品は、Fusion、Mach3およびVenusであり、その世界シェアは全ての製品を合わせて65%と非常に高い。また電気カミソリなどの機器の代表的な製品は、Braunブランドとして販売されている。男性用の電気カミソリ市場の25%を持っている。

 

2018年度のGrooming business segmentの純売上高は、競合活動の激化またシェーブケアの値下げなどの影響を受け、前年同期比1%減の65億ドルである。純売上高そして利益率の減少により、2018年度の純利益額は、前年度より7%減少して14億ドルである。

2018年のシェービングケアの販売数量については、昨年とほぼ同じ数量である。先進国市場では米国で製品の値下げを行い製品力を強化したが、他の国での競合活動が激しく、数量が減少したため、販売数量はほぼ同じである。

 

2017年度のGrooming business segmentの純売上高は、競合活動の激化による下半期に米国での価格値下などの栄光で前年同期比3%減の66億ドルであった。2017年度の純利益額は、純売上高の減少の影響を受け前年度より1%減少して15億ドルであった。

 

2017年のシェービングケアの販売数量については、発展途上国市場における数量が伸びたため昨年より増加した。しかし先進国市場では競合活動激化の影響から数量は減少した。

 

これまで述べてきたようにP&GのGrooming business segmentは非常に厳しい環境である。その主な理由は、主力の米国市場にてオンライン販売を中心とした競合の価格攻勢が激しく、P&GのGilletteブランドの主力製品が販売苦戦しているからである。

 

続きはその4で。