(2020年1月BLD教本 


を作成しました
これを見てもらうほうがわかりやすいかもしれません)

目隠しでは、エッジとコーナーを分けて揃えます。
エッジを揃えるときはエッジしか動かない操作、コーナーはコーナーしか動かない操作にすることによって、ソルブを単純化し、目隠しでもやりやすくするためです。

コーナー、エッジそれぞれいろんな解法が有りますが
これから目隠しを覚えようと言う初心者は
エッジにはM2法、コーナーにはOld Pochmann法を使うのを強くおすすめします。
理屈や分析方法が分かりやすく、(他の2点交換法と比べれば)操作も少なく済むからです。
エッジ、コーナーそれぞれの単独操作では解決できない(エッジコーナー同時4点交換手順が必要な場合)パリティという状況の解決方法も、M2/Old Pochmannなら非常に簡単です。

ただし、分かりやすさだけで言えばエッジにもTパーム1つだけでできるOld Pochmann法を使うと言う手もあります。
しかし、スピードという点ではM2法には全く及ばないですし、目隠しが出来ればそれでよい、タイムは求めないという人にしかおすすめしません。
M2法もコーナーOld Pochmann法も、トップレベルのスピードを目指すのであれば、後々有用な解法です。
特にM2法は最初は難しく感じるかもしれません、理解できないかもしれません。
それでもボクはM2法をおすすめします。
なんでかわからんけど、手順通りやったら揃うでも最初は良いと思います。


日本のキューブ界では、今までM2法とOld Pochmann法の解説を同時にしているサイトがありませんでした。
リンクで繋がってるから、まあいいんだとも思ってましたが、
M2法とOld Pochmann法の解説が合わさる時
何かが起こると誰かがゆった気がしたので
書いてみます

もちろん先輩方の偉大な解説も必ず読んで下さい。より理解が深まります。って言うかボクの読む必要もないです。
特にroudaiさんのページは目隠しの考え方などの解説が非常に分かりやすく、必ず読んでほしいです。ボヤゲの記事も偉大なマルチキューバーうえしゅうさんが書いてるのでおすすめです。

一応、統合解説を書くにあたって
上記のページには書いてない、ボクの経験や先輩方の教えによるプラスアルファな内容も盛り込むつもりです。

回転記号や目隠し用語などの基本的な知識がまだない方は
Cube Voyageの目隠しを参照して下さい。

M2法、Old Pochmann法は2点交換の解法です。
速い人は3点交換でやりますが、手順が多すぎて初心者ではとても無理です。
しかし、M2法は3点交換で用いるコミュテーターという操作概念に非常に近いものなので
これを覚えると後々役に立つと思います。


2点交換で揃える考え方は上記の感じです。
バッファと言うスタート地点を設定し
バッファにあるステッカーが、どこに移動すれば揃うか見て、今度はその位置のステッカーがどこに移動すべきかを見て、それを繰り返していき全てのパーツが正しい位置に収まるように道筋を作ります。

このように考えると常にバッファと言う同じ場所との2点交換なので、目隠しでも操作が簡単になります。。あとで詳しく言いますがM2法などではバッファ→UBなど、固定2点の交換に持ち込みます。


分析方法

目隠しでは、まずスクランブルされたキューブを見て、分析し、どのように揃えるかを記憶してから目隠しして揃えます。

あらかじめバッファを除く全てのステッカーに文字を割り振っておきます。キューブを揃えるのに必要なパーツの移動を文字列に変換して記憶していきます。
コーナー、エッジ合わせて平均して20文字ほどになります。意外と少ないです。
実行時には、覚えた文字に対応する2点交換の操作手順をやっていくだけです。
口で言うと簡単ですw

目隠しではキューブを持つ向きを固定します。
普段ソルブしてる向きでやるのがよいでしょう。色の位置関係に慣れてると思いますので。
ボクは白クロスなんで、U面黄色、F面赤でやってます。が、F面赤には全く必然性はないです。
ただ、赤手前にしようと思っただけです。

分析はまず、バッファを見て、そのステッカーが本来あるべき位置を探します。そのステッカーに割り振った文字を記憶します。そしてその位置にあるステッカーがどこに行くかを探し、また記憶します。
繰り返していき、バッファの(エッジならDF、FDどちらかの)ステッカーに行き当たれば一旦終了です。
すべてのエッジ(またはコーナー)を分析できてればそれで分析終了です。
エッジならワンループ11文字、コーナーワンループ7文字ならOKです。

まだ分析してないステッカーが残っていて
それらのパーツが正しい位置、正しい向きでないのなら、もう一度そのステッカーから分析を始めて、そのパーツに戻ってくるまでの
2つ目のループを作ります。
2つ目のループは最初の文字を操作するとバッファにそのステッカーが来ますので、結局バッファの位置は変わりません。
2つ目のループは最初のパーツに戻ってきたら終了です。同じパーツの違う向きのステッカーに戻ってきた場合、最初と最後の文字が一致しませんが(ねじれループ)
その場合、バッファがEO(CO)になります。
ねじれループが複数ある場合は、打ち消し合ってバッファのEOやCOがなくなることもあります。

バッファのパーツが最初から揃っている、もしくは向きが違う(EOやCO)である場合
バッファはほっといて、どこでも良いので適当なステッカーからループを作ります。(最初から二つ目のループが始まると言うこと)
バッファがEOやCOの場合は、他のループを正しく揃えるとバッファの向きは自然に正しい向きに戻ります。もしくは他のEOやCOと合わせて向きを揃える処理をします。

正しい位置にあるが、向きが違うパーツがあった場合(EO、CO)専用手順で処理しますので、その位置(コーナーは向きも)を覚えます。
手順はCube Voyageを参照して下さい。

ナンバリング

ステッカーに文字を割り振ることを「ナンバリング」と言います。
バッファのパーツ(M2法ではDFエッジ、Old PochmannではULBコーナー)には文字を割り振らなくてもよいです。
ナンバリングは人それぞれです。
好きな文字を好きな位置のステッカーに割り振ってください。アルファベットでもキリル文字でもなんでも良いと思います。(多くの人は平仮名ですが)
文字の重複がなければ、本当になんでもよいです。

ボクのナンバリングは「ここ」に書いてます。
参考にして下さい。
まずは、目隠しの解法の仕組みを理解して、
それからナンバリングを決めるのをおすすめします。
目隠しを習得するには、ナンバリングした文字とステッカーの位置を完璧に脳内で対応させる必要がありますので、慣れてから一度決めたナンバリングを変えるのは、ほぼ無理です。
ナンバリングを決めてしまうと、一生その文字達が作る文字列から逃れられませんので(大げさ)、自分のナンバリングには慎重になるべきだとボクは思います。
自分が好きな言葉や名前が出てくるように工夫するのも良いでしょう。(これはモチベの為に意外と大事)
ナンバリングを仮に決めて、実際にやってみて、レターペア作りにくいなとか、音の響きが頭に残りにくいなと言う文字や行があったら、ナンバリングを替えてみたりしましょう。
はじめのうちならナンバリングの変更はしやすいです。
それでもすべてのレターペアをケアするのは無理ですので、ある程度で妥協をしましょうw
慣れれば問題ないです。


エッジM2法

M2法は、その名の通りM2という操作でバッファ(DF)とUBのステッカーを2点交換します。
M2を用いるので、M列を崩さないように交換したいステッカーをUBに持っていき、M2して逆操作で元に戻す。という流れになります。
操作の仕組みとしては上記のような感じです。

具体的な手順は以下の画像のようになりますので、ぶっちゃけ丸暗記でもよいでしょう。
理屈がわかってると、少し覚えやすいです。


M列の手順ですが、M2法の特徴として、偶数回目の操作をしようとするとき、(UBエッジとバッファ以外の)M列ステッカーが180°反転してます。なので、偶数回目に(その反転している領域にある)FUエッジとBDエッジのステッカーを操作するときは、反対側の手順をして下さい。UBエッジ(UBとBU)は大丈夫です。

最後までエッジの操作を終えたら
操作が偶数回ならばよいのですが
奇数回で終わると、M列が反転した状態になります。
この時はM2すればよいってものではなく

D' L2 D M2 D' L2 D
もしくは、D' Rw2 U M2 U' Rw2' D

と回します(パリティ手順)
こうすると、M列をもとに戻しつつULとUB エッジの交換が起こります。
エッジが奇数回の時は、必ずコーナーも奇数回ですので、後述のコーナー解法で奇数回の時のULとUBエッジの交換状態とキャンセルが起こります。
これがM2/Old Pochmann法のパリティ処理です。簡単です。

M2法は半分コミュテーターのようなもので、効率の良い解法ですが、M列の手順がややこしいので、慣れてきたら発展的なやり方も考えてみるとよいでしょう。


コーナーOld Pochmann法

コーナーはエッジM列のようにややこしくはなく、一手順だけで2点交換をします。

バッファをULBにして、RDFとの2点交換です。


目的のステッカーをRDFにセットアップし
変形Yパームをして、逆セットアップです。
セットアップはFとRとDの回転だけでする必要があります。(バッファが動いたらあかんので)
必ず2手以内でセットアップできますので
3手以上かかってしまったら、違うセットアップ方法を考えてみましょう。
変形Yパームでは、同時にULとUBエッジの交換も起こりますが、偶数回ならばもとに戻りますし、奇数回ならエッジM2法のパリティ手順でキャンセルできます。

ボクが使っているRDFへのセットアップ手順は以下の手順です。(R面は自明なので省略)
複数のやり方でセットアップできるステッカーもありますが、回しやすい手順は限られると思います。(カッコで示した手順も人によってはやりやすいかもしれません。)
M2法のM2の前後の手順と同様に、変形Yパームしたあとはセットアップの逆手順でもとに戻してください。

基本はRDFとの2点交換ですが、
変形Yパームの手順をよく見ると、一手目がRなので、実はR面のどこかにセットアップできれば、変形Yパームの一手目とキャンセルがおこりますので、
慣れてきたらR面のどこからでもULBと交換出来るようになるとよいです。
詳しくはこの記事に書いてます。

残ったEOとCOについては最後に専用手順で処理します。
手順はCube Voyageを参照して下さい。

コーナーをやる前にEO処理したい時、エッジ奇数回ならば、パリティ手順を回してM列を戻してからにしましょう。その際UBとULが入れ替わってることにも気を付けて下さい。
普通はエッジの処理したらEOもやってしまいますね。最後までEO残しといたら、忘れる、、、

ねじれループ、EOやCOあるときは正しく分析することが難しいと思います。
分析の細かいウンチクや、EOCOの判断については分析文字数の公式の記事で書いてますので、そちらも読んでもらえると理解が深まるかもしれません。


記憶と実行の順番について

分析、記憶はコーナーから
実行はエッジからがよいです。

1、コーナーをストーリー記憶でしっかり記憶する
2、エッジの文字列を心の中で読み上げて復唱して覚える
3、エッジを忘れる前に実行
4、しっかり覚えたコーナーを思い出して実行

という流れが良いと思います。

まず、コーナーを分析し、文字列を作り、
レターペアストーリーにして記憶をします。
例えば「あか、たけ、すな」という文字列なら
「赤い竹の中に砂が詰まってる」みたいな状況を考えて、その視覚イメージと一緒に文字列を復唱して覚えます。
なるべく奇抜で面白い状況だと印象に残りやすいです。
レターペアと言って、2文字づつに区切って言葉を当てはめて行く方法が一般的です。
文字数の偶数、奇数を把握しやすいと言う利点があります。(パリティの有無判断)

COについては、ビジュアルイメージで覚えます。COのあるコーナーを見て、右回転すると正しい向きになるのか、左回転なのかを把握しておきます。

そうしてしっかり覚えて、時間経ったり他のこと考えても、思い出せるようにしておきます。


ストーリー記憶について詳しくは
Cube Voyageの記憶法のとこで、おとさんが簡潔に素晴らしい記事を書いているので、それを参照して下さい。ボクのクソ長い記事でもストーリー記憶書いてます。

次にエッジを分析しますが、これはもう文字だけ心の中で読み上げて意味は考えず復唱して覚え(音記憶)、それを忘れないうちに先に実行してしまいます。
その後、しっかり記憶したコーナーを思い出して実行します。
エッジの文字列を読み上げる時も、2文字づつ、もしくは4文字づつに区切って読んでいくと良いです。
そうすると、文字数が偶数か奇数か把握しやすいので、パリティの有無がはっきりわかりますし、コーナー分析したら奇数なのに、エッジは偶数だったりしたら、分析間違いなのでおかしいと気づけます。
コーナーとエッジの文字数は、必ず偶数&偶数(パリティなし)か、奇数&奇数(パリティあり)です。
(後述する交換分析法をすると奇数&偶数というのもありますが)
4文字づつで読み上げていくと、全体の文字数も把握しやすいと思います。(4+4+3で11文字など。文字数が少なければ、未分析のパーツがあるということが分かる) 

実行時、思い出すときも2文字づつリズムをつけて読んでいくと、M列の操作が反転する偶数回目の判断がしやすくなります。

エッジは12文字以上になることもありますので、文字数多くて大変だと思ったら
最初の2文字は文字化せずに、位置をビジュアルイメージで覚えて、3箇所目から文字化して覚えていき、実行直前にもう一度最初の2箇所を確認して実行に入ると言うやり方もあります。
2文字減ると随分楽になるかもしれません。
覚える文字数を減らす為にはビジュアルイメージ記憶を最後の2箇所にすると言うやり方もありますが、初心者は忘れちゃう気がします。(4000RT日本最速最強のおとさんはこのやり方)

EOについては、その位置をビジュアルイメージで覚えておきます。

※COやEOを2文字に文字化して覚えるという方法もありますが、覚える文字数が増えて大変ですので、マルチBLDのような完全記憶を必要とする時しかボクはやりません。



もちろんコーナー、エッジ全部を音記憶やビジュアル記憶し、読み上げるだけで忘れないうちに実行できれば1番速いのですが、
人であるうちはまず無理です
なので、コーナーとエッジどちらかはストーリー記憶でしっかり記憶します。
ストーリー記憶には時間がかかりますので
文字数の少ないコーナーの方をストーリー記憶するのがよいでしょう。
エッジ10文字ほどは、気合で忘れる前に実行です。
ステッカーのナンバリングがしっかり頭に入ってスラスラ分析できるようになり、M2法の手順が完璧に身について、文字が脳内に浮かんだ瞬間には指が勝手にUBにセットアップしてるくらいまで修練すれば、エッジの音記憶一読は十分可能です。頑張って下さい。

コーナーを先に分析することの利点はもう一つあります。
コーナー分析して奇数文字やったら、パリティがあることが分かります。
その後エッジを分析するときにULとUBを入れ替えて分析して揃えることにより、パリティ手順そのものを回避できます。
その場合文字数は必ずコーナー奇数で、エッジ偶数になります。
エッジを先に分析するとこうはいきません。
これを交換分析法といい、3-cycleに移行した後にも有効な方法です。慣れてきたらやってみましょう。確実にタイムが速くなります。



解法は以上になります。
こんなクソ長い記事を最後まで読んでくれてありがとうございます。一気に書いたので、不備があるかもしれません。
もし、解法の内容に不足があれば書き足します
言うとおりにやってるけど出来ない!とかツイッターアカウントで文句言ってくださってもよいです。

頑張って目隠しをマスターして下さい。
これが出来るようになれば、あなたは一般の人からしたら、人でなくなることでしょうw