今回は、その「バラシ」のメカニズムを把握した上で、無事に「ネットイン」させる、もしくは手際よく「ネットイン」させる上でのコツについて書いていきます。
30 「ネットイン」のコツ 2
凄腕及びトーナメンターの「ネットイン」間際。流れるようなフォルム。「ネットイン」からの無駄の無いリリース。そして次のキャスト……
恐らく何百回、何千回と繰り返した上で身についた「ネットイン」の技術……。
何度となく釣り場や動画で目の当たりにしつつも、なかなか同じように出来ない。
何故なら、一番「冷静で居られない」瞬間だからです。
なので、なかなか自分の「ネットイン」の手際や、癖には気付きづらいものです。
これで良いのか……?と半信半疑のまま今に至ってませんか?
・「ネットイン」間際のミステイク
恐怖の「バラシ」を恐れる事で、ついついやってしまいがちなのが、
1、魚が寄り切らないのに強引に「ネットイン」をしてしまう。
2、「ネットイン」間際、ロッドの力で魚を水の上に浮き上がらせる。
3、抵抗する魚の動きに合わせて、ネットを右往左往、水に差し込む。
4、ロッドを引かずに、ネットで魚を掬いにいってしまう。
この4点が多いでしょうね。
しかも、私もそうでしたが、実際本人はそのつもりはないでやってる事も多いと思います。
人から指摘を受けて、ようやく知るということもあるのではないでしょうか。
そうでなくても、意識的に向上心からネットインの上達を図られてる方は、気づかないうちに華麗な「ネットイン」技術に到達している事もあるでしょう。
・「ネットイン」の前に
慌てるな、といわれても慌ててしまうのがこの「ネットイン」。
そんな大事な「ネットイン」に向けて、慌てててもミスをなるべく減らすためにはどうしたら良いでしょうか?
先ずは、「準備」です。
1、ネットは掴みやすい位置、及び水に差し込みやすい位置に置いてありますか?
2、「ネットイン」間際の身体の位置は、効率的に動ける姿勢ですか?
この2点。「ネットイン」に行き着く前の準備をしっかりと整えましょう。
例えば、右手で「ネットイン」するならば、自身より右側に。また私のように左手で「ネットイン」するならば、自身より左側に。
またネットのグリップが掴みやすい工夫をするのも前段階。私は「ネットスタンド」を取り付けて、咄嗟に掴みやすい工夫をしています。
例え「ネットスタンド」が無いとしても、その釣り座の特徴を使い、ネットを少し水に突っ込んでグリップが浮いてる状況を作ったりと工夫をしてください。
続いては、「ネットイン」の際の姿勢ですが、基本はしゃがみますよね?
しゃがんだとして、両足揃ってませんか?
両足が揃っていると、「ネットイン」間際のロッド身体後方にを引く動作に限界が出てしまいます。
例えば、左手でネット操作、右手でロッド操作とした場合、私は右足を後方にずらします。そして上半身全体で左脚に乗せた体重を、後方にずらした右足方面にスライドさせます。
簡単に言うと、腕だけを後方に動かすのではなく、上体全体+腕を後方に動かす。
窮屈な取り込み姿勢から、先ずは動かしやすい取り込み姿勢に。しかもロッド操作側の脚を少し後ろに引くだけで、大きく変わります。
ヒットして魚を巻いて寄せてる間に、ネットの位置だけではなく、私は「ネットイン」の姿勢も意識しています。
先ずは華麗な「ネットイン」的確な「ネットイン」に向けて、しっかりと準備をすること。これも大事なのです。
「当たり前すぎることにもしっかりと目を向ける」事の重要さを、私は「座間養魚場」で知り合った凄腕のH田さんに教わりました。
・華麗な「ネットイン」とは
先に言います。その答えは……
「その釣り座の形状やその時の魚の引き、サイズに合わせて、一番効率の良い「ネットイン」」
です。
例えば、放流狩りで誰よりも沢山「ネットイン」しなければ行けない時は、中腰で「ネットイン」することもあれば、大物をヒットさせて、ロッドのパワーとラインに頼った「ネットイン」をせねばならないこともあります。
その時に合った「ネットイン」が正解です。
前置きはさておきます。とりあえず、基本的な「ネットイン」を覚えたからこそ出来る、応用として捉えてください。
先ずは華麗な、華麗に見える「ネットイン」とは、
ズバリ、「魚をネットに入れる、ではなく、差し出したネットに魚が入る」こと。
では、差し出したネットに魚が入るとは……?
3に続きます。