JWの、JWによる、JWのためのアンケート 4 | ヤメ証しんきちのブログ

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元JW2世のしんきちです。
これまでの半生を振り返って整理するためのブログです。
書きたいことをすべて書いてしまったら更新を停める予定です。
共感してもらえたり、誰かの参考になったりしたらいいなと思います。

「日本のエホバの証人定量的研究」についてはひと通り書いてしまったので、もう終わりにしようと思っていたのですが、ずーっと気になっていたことがあったんです。

 

この表の注釈部分です。

注:日本の人口に関して,「無回答」の数値は日本の総人口から教育レベルを回答した人数を差し引いて計算。「正式な教育は受けていない」の数は,日本の母集団の総数から学校を卒業した人の総数を差し引いて算出した。

 

なんでこんな処理をしたのか。

 

これが理解不能だったんです。 

母集団N=108,259千人なので、全く関係のない「日本の総人口」とか使って計算してはいけないはずです。

特に、割合なので、そんなことをしては絶対おかしくなってしまいます。

 

で、出典の日本統計年鑑とか、それのもとになっている国勢調査のデータも調べてみました。

小さくて見にくいと思いますが、元データはこちらです↓↓↓

電卓とエクセルを駆使して、自分でも計算してみたのです。

そしたらどうも計算が合わない。

というか、逆にこの表自体はこれで合ってるんです。

 

もしやと思って英語版の報告書を見ました。

やっぱりそうでした。

 

誤訳でした。

 

英語版では注釈の部分は

Note: For the Japan population, the “not reported” score was calculated by subtracting the sum of those who reported the education level from the total number of persons graduated from school. The number of persons with no formal education was calculated by subtracting the total number of persons who graduated from school from the total number of the Japan population.

となっています。

※少しややこしいですが、「5引く3」(5−3)を英語では「subtract 3 from 5」(3を5から引く)と表現され、その場合は数式とは数字の順序が入れ替わることになります。

 

なので、「For the Japan population, the “not reported” score was calculated by 
subtracting the sum of those who reported the education level from the total number of persons graduated from school.」をちゃんと翻訳すると、

「日本の人口に関して、「無回答」の数値は学校を卒業した人の合計数から学歴を報告した人の数を差し引いて計算。」となるわけです。

 

つまり、日本語版の報告書の「日本の総人口から」というのは間違いで、正しくは「学校を卒業した人の合計数から」ということになります。

 

試しにこれで計算してみます。

無回答=学校を卒業した人の合計数学歴を報告した人の数

学校を卒業した人の合計数=100,763千人 (国勢調査「1-1_卒業者」)

学歴を報告した人の数=85,704千人 (国勢調査「2-11_卒業者 小学校」~「2-16_卒業者 大学院」の合計数)

差し引いた数=15,059千人 (国勢調査「2-17_卒業者 不詳」)

あとは小学校レベルの計算です。

そうすると、確かに表1の通り13.9%になります。

 

初歩的なミスです。

 

「策士策に溺れる」とはこのことですね。

自分たちの主張を一番訴えたいであろう日本語でミスをするとは致命的です。

最初っから研究を日本人に任せて日本語で書いとけばよかったものを、かっこつけたのかなんなのかわかりませんがこういうことになってしまいます。

 

もしかしたら、他にも誤訳があるのでは?という気持ちになりますね。

 

学術諮問委員会が…データの妥当性を検証し,この速報を承認した。」って書いてるので、このミスを見逃した責任はこの委員会もあるでしょう。

特に、日本人もちゃんと含まれてるのにチェック体制が機能していないということです。

何のための学術、何のための諮問委員会なのか。

 

こういうミスがあれば、この報告書、ひいてはこの研究自体の信頼性は損なわれてしまいます。

そして、研究者もそれを承認した委員会も同様に信用できないということになりかねません。

 

そして一応、「正式な教育を受けていない」も計算してみます。

 

the total number of the Japan population(日本の人口の合計数)は国勢調査による日本の総人口126,146千人のことではなく、表1で「日本の人口(Japan population)」と表記されている母集団N=108,259千人のことです。

この書き方では勘違いしてしまいますね。

現に研究者や報告書を翻訳した人自身も混乱してしまってますし、チェックする学術諮問委員会もそれに気づかないくらいです。

もっと分かりやすい表現をした方がよかったのではないでしょうか。

 

ということで、

「正式な教育を受けていない」=「日本の人口」の母集団の総数N-学校を卒業した人の総数

「日本の人口」の母集団の総数N=108,259千人 ※国勢調査「1-0_総数」

学校を卒業した人の総数=100,763千人 ※国勢調査「1-1_卒業者」

で、これも表1の通り6.9%になります。

 

ただ、この「正式な教育を受けていない」には1つ重大な問題があります。

在学者もここに入れてしまっているのです。

それは明らかにおかしいですよね。

高校に在学中の人は小中学校をちゃんと卒業していますし、大学生は高校を卒業して、正式な教育を受けています。

「正式な教育を受けていない」に含めるのは明らかに間違いです。

 

在学者=7,398千人 ※国勢調査「1-2_在学者」

これは実に母集団の6.8%。

つまり、本当に教育を受けていない人は、在学者を除いた0.1%となります。

 

これも日本人なら肌感覚で分かりそうなものです。

もちろん、不登校とかいろいろな問題で学校に行けない人もいることは事実ですが、日本に住んでいれば「学校に行っていない人そんなにいたっけ?」って疑問に思うはずですよ。

 

日本の教育なめんなよ!