これはとても重要なご指摘だと思います。

 印欧語の中でも屈折語尾が豊富なラテン系の単語の多くは多音節ですが、英語本来語は語尾を失ったために単音節です。これは単語の1語の情報量が少ないことを意味します。言い換えると、現代英語は多くの語数を使って情報を伝える言語だということになります。

 話し言葉では、多くの語数を効率よく伝えるために、内容語にストレスを置き機能語は弱音化します。ナチュラルスピードの発話では、語と語をつないで発音し、連結、脱落、同化、弱化、弾音化という音変化が起きます。TOEICのリスニング高得点者は有意に音変化に習熟しているという報告があります。

 

 単音節の内容語と機能語を配列して意味を成す仕組みの現代英語は、その構造上、ヨーロッパの主要言語の中で最も音変化が多い言語と言えます。