「三人寄れば文殊の知恵」
ということわざがあります。
「一人では思い浮かばなかった知恵が、
三人集まって相談すれば生み出される」、
という意味のことわざです。
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人と人とのつながりには、
優れた知恵を生み出す機能があります。
こうした知恵は、
「集合的知性(Collective Intelligence)」
と呼ばれています。
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マサチューセッツ工科大学
スローン経営大学院の
トーマス W. マローン教授は、
集合的知性を次のように定義しています。
「This is collective intelligence:
groups of individuals acting collectively in ways
that seem intelligent.」
意味としては、
「個々の人々が目的に向かって協力し、
知的に思える方法で行動している状態」
というようなものです。
ただし、
“人が集まって話し合えば、
集合的知性が発揮されるのか”というと、
そうとも言えません。
場合によっては、
集団の話し合いが
誤った方向に進んでいき、
最悪の結果を
導き出してしまう
こともあります。
このような状態を
「集団浅慮(Group Think)」
と呼びます。
集団浅慮を避けて、
集合的知性を活用するためには、
どうすれば良いのでしょう?
マローン教授の研究によれば、
次の3つの要素が集合的知性に
関係していることがわかりました。
①グループメンバーの社会的認識(共感性)の高さ
他者の感情を感じとることが
得意な人がたくさんいるグループを作ると、
グループ全体がより知的になる。
②会話の順番が均等であること
グループの1人が会話を支配せず、
様々なメンバー間で発言が
均等に分散されている。
③グループの女性メンバーの多さ
グループにメンバー構成は、
女性メンバーの数が多ければ多いほど良い。
男性に比べて女性は、
平均的に①の共感性が高い傾向にあり、
そうした特性が関係している考えられている。
これらの知見を参考にして、
グループやチームづくりを行えば、
集団浅慮を
避けることができ、
集合的知性が
働くようになるでしょう。
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集合的知性を活用すれば、
1人で考え続けるよりも
より有益で発展的なアイデアを
生み出しやすくなります。
集合的知性を
活用することは、
不確実性が高く
将来の予測が困難な時代に
身につけておきたい、
とても重要な
ソーシャルスキルと
言えるでしょう。
過去の記事では、
集合的知性に関する
他の研究についても触れています。
よろしければ、
そちらもご覧ください。
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