適応と馴化(後編)【セルフコントロール】 | ウェルビーイングのおすそわけ

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(旧タイトル「カウンセラーからのおすそわけ」)

「茹でガエル」という
有名な寓話があります。


これは、
"適応""馴化"の課題を
よく表しています。


内容を簡単に説明すると、
次のようなお話です。


登場するのは、
二匹のカエルです。


二匹のカエルが
それぞれ異なる
鍋に飛び込みます。


一方の鍋には、
熱湯が入っています。


もう一方の鍋には、
水が入っていますが、
こちらの鍋は
火にかけられおり
少しずつ熱くなっていきます。


当然ですが、
熱湯の鍋に
飛び込んだカエルは、
直ちにその鍋から
逃げ出します。





しかし、
少しずつ熱くなる
鍋に入ったカエルは、
その変化に気づかないか、
仮に気づいても「問題ない」
過小評価します。





その結果、
外に飛び出すことをせず、
熱いと気づいた時には
のぼせて動けなくなり、
鍋の中でゆであがって
死んでしまう
というものです。


このお話は、
急激な変化の場合には、
気づいて対処できても、
緩やかな変化の場合には、
"適応""馴化"が起きて
気づくことができず、
危機に晒される
という喩えです。


"適応""馴化"は、
とても大切な
働きをしていますが、
それによって視野が狭まり、
意思決定に誤りが
生じる可能性があることを
心得ておくことが重要です。


そうすれば、
変化に対して
しなやかに対処することが
できるようになります。


もし、
現在の環境に
息苦しさや
行き詰まりを
感じているならば、
その環境の中だけで
解決の道を考えるのでなく、
新しい世界に
目を向けることが
必要なのかもしれません。


今置かれている状況は、
現実世界の全てではなく、
自分が知覚している
ほんの一部分です。


実際には、
自分がまだ触れていない
未知の世界の方が広く、
まだ見えていない可能性が
数多く存在しています。


新しい世界に飛び出すのは、
努力が必要で大変なことですが、
人には変化に
"適応"する力が
備わっています。


勇気をもって
変化に取り組めば、
やがて
"馴化"して、
新たな自分の居場所を
つくることができるでしょう。



※東日本大震災の復興を
心よりお祈りしています。


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