両者共に相手に親切に接したり、
話に耳を傾けるなどといった
よく似た対応がとられるため、
一見すると違いが分かりません。
しかし、
両者の意図は、
全く別のところにあります。
取引のアプローチでは、
親切な対応や傾聴などは、
相手をこちらの思うように
操作するために行なわれます。
一方関係のアプローチでは、
お互いを理解し合い
関わりを強固なものと
するために行なわれます。
デービッド・メイスターは、
両者の違いを次のように
表しています。
〈取引のアプローチ〉
◆一夜限りのつき合い
◆彼ら
◆対抗者
◆短期的利益
◆疑念
◆目標は自分を魅力的に見せること
◆交渉と駆け引き
◆選択肢を残し、義務を避ける
◆現在に注目する
◆細かい契約を作る
◆おもな目標は勝利すること
◆人から離れた形式的なスタイル
◆われわれが言うこと、することの準備とリハーサル
◆彼らが言うことを聞く
◆普段のやりとりで緊張し、消耗する
◆やりとりのスタイルは防衛的
〈関係のアプローチ〉
◇恋愛
◇われわれ
◇仲間
◇長期的利益
◇信頼
◇目標は相手を理解すること
◇与え、助けること
◇コミットメント
◇将来に注目
◇将来助け合うという、大まかな理解でよしとする
◇おもな目標は関係を保つこと
◇人間的、献身的、親密なスタイル
◇相手の反応に適応する柔軟性
◇彼らが感じていることや、なぜそう言うのかを聞く
◇普段のやりとりでリラックスし、心地よい
◇やりとりのスタイルは開放的で探究心旺盛
短期的なことだけを考えていると、
取引のアプローチに
傾きやすくなります。
取引のアプローチを続けていると、
その言行からやがて
それが見抜かれてしまいます。
そうなると、
周囲からの協力は
得られなくなり、
組織は弱体化していきます。
組織が一体となり、
より良く機能するためには
取引よりも関係のアプローチが
求められると言えるでしょう。
〈引用文献〉
- 脱「でぶスモーカー」の仕事術/デービッド メイスター
- ¥1,995
- Amazon.co.jp
神栄カウンセリングセンター のHP