仮想的有能感【外的コントロール】 | ウェルビーイングのおすそわけ

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(旧タイトル「カウンセラーからのおすそわけ」)

Dr.グラッサーは、
外的コントロールの行動の一つに
他人と比較することを挙げています。


良好な人間関係を築くためには、
他人と比較することは
避けておいた方が良いようです。


一般的に他人と自分を
比較することの問題は、
自己卑下に陥ることにある
と考えられています。


「あの人は持っているが、私は持っていない」

「あの人は知っているが、私は知らない」

「あの人は出来るが、私は出来ない」


このように、
他人と自分を比較すると
気持ちは不安定になります。


しかし、
他者と比較することの問題点は、
それだけではありません。


他人と自分を比較して
相手を見下すことは、
自己卑下以上に
害をもたらします。


名古屋大学大学院
速水敏彦教授は、
「仮想的有能感」
という言葉によって、
この点を指摘しています。


「仮想的有能感」とは、
他人を軽視することで
自分を肯定し
優越感を持つものです。


通常の有能感は、
行動することにより
実質的に養われて行きます。


しかし「仮想的有能感」は、
自分は何も行動することなく、
他者を批評することで
相手と比べて自分は優れていると
思い込んでしまうものです。


「仮想的有能感」は、
実質を伴いません。


にも関わらず
自己肯定感が高まっていくと、
周囲とギャップが生まれ、
孤立することになります。


自己卑下と仮想的有能感は、
他人との比較によって生じる問題の
裏と表のようなものです。


Dr.グラッサーは、
「外的コントロールは
人間関係に害をもたらす」
と指摘しています。


自分と他人を比較して、
自己卑下や優越感に浸り、
人間関係を壊してしまわぬように
注意したいものです。

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