天気の孤 | 日々点描

日々点描

笑え、俺

 百姓をやるようになってからは、人一倍天気を気にするようになった。

 

 それまでは、行事でもなければ雨が降ろうが槍が降ろうが「ふ~ん」とやり過ごしていたのだ。

 それにしても、このある意味異常気象が続くと職業農家さんの苦悩に思いを馳せてしまう。俺達ぁ、とうもろこしが猿に食われようとイチゴが亀に穿られようが「あ~あ」と溜息つくだけですむけれど、生活に直結していたら俺など真っ青になって寝込んで破産して路頭に迷っていたに違いない。

 

 梅雨入りしてから、ど快晴の酷暑が続く。

 種まきしたばかりの畑が、カラカラに乾いてヒビ割れている。

「こいつあ、ダメかな」

 ちょこっと悔しいけれど、嘆き哀しむ立場にない。

 店行って買うだけである。

 それでも尚、色艶や大きさでいちいち選んでしまう、俺は手前勝手な愚か者。

 てめえで造った野菜は、変な形でも平気で食うくせに。