請い人も群れる街過度 | 日々点描

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笑え、俺

 鳥類の中で、一番好きな鳥は“閑古鳥”である。

 

 俺は人混みと行列がたいそう苦手なのだ。それは、閉所恐怖症で限定的短気な性格に因るのだが、何時間も並んで欲しい物も食いたい物も見たい物も何一つない。そんなんなくたって、俺の人生は今のところ充分に楽しい。

 だから、店先の行列を誇らしげに自慢する店には、絶対に行かない。

 

 どんな鳴き声だか知らんが、閑古鳥が鳴く店は大好きである。

 一般的に閑古鳥が鳴くしょ~ばいはヤバイとされているけれど、本当にヤバければ速攻倒産している筈で、閑古鳥の声を聴きながら存続している店は、それだけで優雅な時間を提供されると考えているからだ。

 

 行列作って喜んでいる店は、もしかしたら行列がなくなったら、閑古鳥を餌付けする前にもうヤバいのかもしれず、なんだか必死で悲壮感さえ漂うのだ。

 だからって、街の人混みや行列を構成する方々の否定も非難もしない。するわけない。そこまでする欲望や欲求があるのは、きっと人生は豊かで充実しているんだろう。

 おみゃさんは“欲”が枯渇したのだと言われれば、確かにそ~かもしれない。

 

 近頃“情熱”とは疎遠だ。 

 “暇”を、“無駄”と考えるか“余裕”と考えるか、俺はただ後者だと考えているだけである。