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(パナ改とは?、ファンタム式パナ改とは?)
Shinの「ファンタム式パナ改」は Linkwitz mod (パナ改)の進化系。
≪今一度知ってほしい「パナ改」=(Linkwitz Mod)のこと≫
現在「パナ改」というとShinの「ファンタム式パナ改」を指すことが多くなりましたが・・・
ドイツ出身の米国技術者、Siegfried Linkwitz氏によりWM-60A、WM-61AのECMカプセルでインピーダンス変換用FETをドレイン出力とぜず、ソースとケースGND間を切り離し「ソースフォロワ」動作をさせた音質が良く「Linkwitz Mod」として自作ファンを中心に世界的ブームとなりました。
そのLinkwtz氏の有名なサイトです。
パナソニックのECMを改造使用することから国内では「パナ改」と呼ばれWM-60A、61Aで次々自作されたのが始まりです。
写真は10年以上前、筆者が製作した「パナ改」=Linkwitz Mod の実例
致命的欠陥性により、やむなく削除した2009年記事の「パナ改マイクシステム」=Linkwitz Mod
決してマネしてほしくないので写真は加工しました。
不安定な3.5mmミニプラグ・ジャックを使用してDC9Vを重畳させるため、想像を絶する接触不良問題を起こすシステムであることを身をもって体験するなかで、関連記事の削除をおこない当サイトでは二度と「ミニプラグ・ジャック」を使わない事を誓って、同「パナ改システム」とは2009年をもって決別しました。
「 問題を起こす!」旨注意を加えても当サイト記事を参考に「パナ改」の製作が後を絶たないため、その後「パナ改」に関するそれまでの製作記事は全部削除しました。
「このパナ改」に関するお問い合わせには応じられません。
「パナ改マイク」は外部に電池箱を設け電源電圧9Vで動作させ、サイズも容量も大きなコンデンサ(2.2μF程度の大型フィルムコン)が使われた。
基本形は2線式プラス接地ですので取り扱いに手こずる内容ですが、
10数年前、その自作が流行しました。
良質なコンデンサマイクがきわめて高価だった時代のこと。
同3線式では拡張性も容易でしたが、理論と実践での開きは大きく現在ではとても通用しないような酷い致命的欠点を抱えたものでした。
それでもLinkwitz氏の基本思想には賛成ですのでShinはその構築プラットフォームを移し、欠点部分を取り去ったLinketz Modを再構成して引き継ぎました。それが「ファンタム式パナ改」マイクです。
この路線はしっかり継続します。
≪「パナ改」の発展形、「ファンタム式パナ改」≫
Linkwitz Modを継承し、3線式とすることで完全な「マイナス接地」を実現、このことによりあらゆる回路との親和性をはかり、普通のコンデンサマイクとして、とりわけ他のコンデンサマイクとの完全互換性に注力した。
また「ファンタム動作」させることによるハイボルテージ・プリAMP化が功を奏し、実測で130dB/1KHz(1% THD )の結果を得られました。
(筆者が現在同一の試験をおこなったらおそらく90dB以上漏れるはず、すぐ110番されます)
形状は「何がなんでも」ファンタム動作AMPをXLRコネクタの中に納め、XLR一体型ファンタムAMPにする事にしつこくこだわりました。
第1号機はノイトリックXLRコネクタ(旧型)2個を連結してやっと基板が入りました。
第1号機、無骨ですが電池箱のない新しい時代の「パナ改」、このスタイルにめちゃ感激でした。
その後FET-AMPにすることで大きなHPFのカップリングコンデンサ(フィルムコン)は容量比・大きさ比それぞれ1/10以下で済むという進化、もう以前に戻ることはできません。
2009年から2010年にかけて試行錯誤をおこなって、そのなかで最終的に優れた業務用コンデンサマイクをめざしました、まるでドンキホーテのような馬鹿げた発想かもしれないが、それがなかったらもっとチープなものになっていたでしょう。
2010年2月10日 12年前、ある音響技術者セミナーが開かれた。
その場所で4月に発売される予定の国内某メーカー超高級マイクのプレゼンとデモがピアノPAでおこなわれた。
Shinのファンタム式パナ改「fet 」もご一緒できることになり、ショックマウントのすみに輪ゴムでくくりつけられた。
デモの最初は当然メーカーの新製品、さすがのサウンドにみな納得ではあるが、ある意味それは当然。
つぎにShinのマイクだ、手製マイクということで冷やかし半分だろう、でも興味津々という輩もいたようだ。
演奏が進むにつれエンジニアたちの顔色が変わった、演奏が終わってからあちこちザワメキはじめた。
そして奇しくも自作マイクである「fet 」に軍配が上がってしまったのです、ピアノPAにおいてメーカー新発表の超高級マイクは手作りの無指向性「fet 」に及ばずという前代未聞の結果となった。
2010年2月10日、当日使った「fet」試作品現物
結果に驚いたのはShinや当日の出席エンジニアたちですが、誰よりもショックを受けたのは国内某マイクメーカー担当者、それもそのはずでそこに集まっているのはオーディオヲタクなどではない、第一線のプロ音響技術集団だ、メーカー担当者は「力なく機材を撤収していた」のが印象的だった、という気の毒な話をのちに聞いた。
(このメーカーとは製品を変えて、方式を変えて場所を変えて、その後も何回か競合しているが、この時のトラウマを現在なおひきずっているのか、Shinの提供するマイクには毎回及ばずという不思議な因縁)
かなり手荒な経緯ではありますが、「自作マイク録音ファン」以外では孤立無援だった「パナ改」が次元を変えて、いきなりポテンシャル高い業務用コンデンサマイクとしてデビューした記念すべき瞬間でした。
日本メーカーには今でも見られる「物理特性」優先からヨーロッパ式の「聴感」という官能の世界で勝負してほしい。
当日のエンジニアの意見をもとにさらに練り込んだ 試作2号機「FetⅡ」
現在なおファンの多い「FetⅡ」です。
長年すこしづつ改良を加え、おかげさまでアレから12年間続けています。
しかしこのマイクのたった1つの特記事項として出力インピーダンスの問題があります。それは約1kΩですので、他のマイクより高めです。
1kΩをどう見るか、それでも「平衡伝送」ですので100mまではいけます。
公共ホールでの実験ではこれ以上になると「やや高域落ち」を感じるようになります(一般高齢者では気が付かないレベル)。
このため限界を知って使うべきマイクロホンです。
(回路・回路図について)
この回路はちょっとアレンジしてMEMSマイク向けにも使っています。
ファンタム式パナ改マイク「FetⅡ」では「Schoeps cirquit」に似通ったFET回路に見えますがやや異なります。
のちにバイポーラTRのソース出力(Schoeps cirquit)類似に変身させ長距離伝送を可能にした「LzⅡ」(b)バージョンを併行させています。
この回路も抵抗値の変更だけでMEMSマイク向けに使っています。
ところでコンデンサマイク独特のこの回路、「差動AMPならこう描かなければ読めないヨ」というかたが増え、筆者には動作の脈絡の見えない回路に描き替えられていることが最近増えました。
アナログ回路図は入出力端をまず決め、左から右へと信号の流れを描くという原則、またコンデンサマイク独特のカタチもあり、この程度の回路は絶対に分割しない。
私は歴史的な回路シンボルを使って回路図セオリーによるマイク回路の描き方を今後も続けます。
(「全公開」というShinの考え方について)
このサイトで筆者の発明・発見的な新開発は常に「全公開」で臨むのは以下のような背景があります。
「ファンタム式パナ改マイク」の技術内容は2009年11月6日付の1号機である当サイト記事が特許庁により「先行事例」として認められてるため、それがのちに持ち込まれた類似出願をブロックする力になっていることを相手側筋から漏れ聞いています。
企業でない限り、利益追求しない限り「知財保護の最終兵器」は「特許の取得」ではなく「全公開」であるという逆転発想は、特許庁や特許事務所に通ったり、Web上でこの間の経験から行き着いた私の結論です。
以上が「パナ改」~「ファンタム式パナ改」のフロフィールです。
ご注意
このパナ改(Linkwts Mod)製作に関しては仮にお問い合わせメールくださっても返信はしませんのであしからずお願いいたします。
(Shin)
★ 本記事の無断ネット盗用は犯罪です。
以上
おしらせ
fetⅡ、fetⅡi、fet3、LZⅡb など、読者のみなさまからのご注文により人気機種の製作領布を承っておりますのでお問い合わせください (いまや貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作します)
MEMSマイク使用、話題のProbeⅡおよびFetⅡmemsも同様にリリースしています。
モノ作り日本もっと元気出せ!
【おことわり】
★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。
★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。
★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。
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Shinさん独特のこだわりと非常識をもって音響の世界を刺激してまいります。
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