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1901年12月12日、カナダのニューファンドラン ド・セントジョーンズ。
「ト」、
かすかに受話器から音が聞こえた、息を殺して耳をすます。
「ト・ト・ト」(S)
3度続いた。信号だ。モールス符号の3連短点に対応する音がくり返し聞こえる。
「ト・ト・ト(S) …(S) ・・・(S)」
翌日、この模様は全世界に伝えられた。
「稲妻をあやつる男マルコーニ、大西洋横断通信に成功! 新紀元を開く!」
時に1901年12月12日12時30分。ポルジューから届いたそれは、華麗なる20世紀を象徴する電波となった。 ヘルツの実験からわずか13年。無線通信時代の扉を開いたのは、夢を追い続けた27歳の青年実業家だった。 (大人の科学.netより)
120年前の偉業は高性能受信機はおろか真空管もトランジスタも存在しない時代の出来事でした。使われたのは「火花式送信機」と「コヒーラ検波器」の受信機でした。
今では考えられないような装置でカナダ~英国間 3,400kmの無線通信に成功したのです。
(コヒーラとは)
(上図、写真出典:Wikipedia)
斜めに切った銀電極のあるガラス管、両極の間にニッケルの粉末を緩く封入したもの。通常両極間抵抗値は∞、電波を受けると抵抗変化し、ほぼ導通状態になる。
原理的な古い機械ではしばしばみられるが、現代から見れば荒っぽいことも平気でやってしまうのが鮮やか且ついさぎよい。
原始的な「コヒーラ」という電波センサーに何も介さずリレーや印字機を駆動するという豪快な荒っぽさ、且つ何も恐れないあっぱれさに敬服する。
アクティブ素子である三極管発明の遥か昔の先端技術には感動を覚える。
(Wikipediaより)
(実験)
火花式送信機は圧電ライターで代用した。
コヒーラはアルミ箔の電極間にアルミ箔を玉にしたものを軽く並べた。
圧電火花からの電波に反応して導通した。(衝撃を受けるまで導通状態=ON が続く)
手で衝撃を与えコヒーラをOFFにした。
これを「デ・コヒーア」と呼び衝撃を与える装置を「デ・コヒーラ」と呼ぶ
(動作原理)
筆者の「コヒーラ」は電極間にアルミ箔を玉にしたモノ。
①最初は表面が酸化被膜(酸化アルミ=Al₂O₃ )で覆われているため導通はなく抵抗値∞です。
②電波に反応すると表面皮膜が破れ、隣のアルミ玉と導通状態となる。
③この状態ではON状態のままで再度電波に反応することはないため、コヒーラに機械的ショックを与えOFF状態にリセットします。
これを「デ・コヒーア」と呼ぶ、このショックを与える装置を「デ・コヒーラ」とよびます。
(波形)
オシロのプローブに70mm程度のループアンテナをつけ、15cm
程度離してライターを押した瞬間。
1div:50mVスケール、100mV P-Pが観測された。
(テスラコイルでは途方もない電圧の持続波を示した)
(発展形)
SPと組み合わせた「デコヒーラ」。
30kV以上は軽く発生する高圧発生装置
ギャップ1mm未満にしてやると安定した連続電波が得られた。
(波形)
ライターの場合とほぼ同一距離、10VP-Pを示した。
(連続波)
テスラコイルによる10KV程度連続放電で(ギャップ1mm以下)にして送信機とした。
一次電源の断続でモールス信号(電信)を送った。
LEDは電信信号にしたがって長・短の点滅をする。
電源の断続を電鍵に替えれば完全にモールス信号の送受信が可能である。
「デ・コヒーア」のSPはごくわずか聴こえる程度の音量で150~250Hz付近で効率の良い点が見つかった、これは振動モーター(バイブレーション用)を使えばコンパクトなものになるはずです。
ただし、現在では「火花式送信機」による電波の発射は禁止されているため室内実験にとどめなければいけません。
(さいごに)
コヒーラは通信用途としては現在まったく実用性のないデバイスですが、きちんと作られたものは雷検知をはじめEMPなど大規模な電磁波障害時、半導体ではもはや不可能な領域では真空管を超える優れた実用性を示します。
日本ではこちらなどで現在も生産されています。
「周回遅れの旧技術にはいつも先端技術並みの重要なエッセンスが残っている」、そんな法則性を感じつつ終わります。
以上
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