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MEMSマイクを扱い始めて久しいが私が国内調達を避けていること、Invensense社(現TDK Invensense)などのMEMSマイクをわざわざUSAから取寄せせるのはなぜだろうか。
北欧に住む友人の場合は最初からそれが普通です、諸兄の一部ではかつての「電子大国ニッポン」をまだひきずっているのではないかと感じます。
また筆者が選ぶMEMSマイクはスマホ組込みやAIスピーカーやロボット用とは大きく異なり、本来の目的ではなく「単体マイク」としてのパフォーマンスしか求めていません。したがってデジタルOUT型は除外しています。
もっとも、アナログの完成度が足りないまま設計されたデジタルOUTのMEMSマイクはロクなものになりません。
MEMSマイクに単体マイクロホンとしての将来を見つけたのは2014年の記事「1414:ECM、2線式・3線式の相違,そしてMEMSマイクへ」が最初です。
この時Analog Devices社のADMP-411に単体マイク適正をはじめて確認できました。このMEMSマイクは2014年当時、大阪の共立で販売され、秋月の「シリコンマイク」の数倍の価格だった記憶ですが時代は流れ、そろそろ入手不能となるでしょう。
次の比較表をご参考ください
下記品種すべての音確認および「単体マイク適正」判断をしております。
※この表は画像保存し、拡大してご覧ください。
(なぜ「Invensense」を選ぶのか)
2年前、世界11社全品種のスペック比較をおこない、その結果この1社の方向性が「単体マイク化」に非常に適していることを筆者が判断したことはすでにご報告してきました。
すなわち「アナログ設計」が他社に群を抜いているものが多く次元が異なります。
他社でも優秀MEMSは時々散見されますので、それはヘッドハンティングすればちょうどよい程度です。
上表の国内販売品のほとんどは1~2世代前の製品と思われ、調べれば「廃品種」ばかり、Invensenseの現製品と比較し10年程度遅れた内容、すなわちメーカー・代理店の廃棄処分品としか考えられません。
それでもMEMSマイクは物珍らしく、YOUTUBEほかネット上でこれら旧型ITゴミのMEMSマイクで画期的新技術のように実験紹介する時代錯誤の姿は残念かつ哀れでならない、世の中は遥か先を行っている。
※Invensense社について
・2013年5月Analog Devises社のセンサー・MEMS部門を買収。
・2017年5月TDKがInvensenseを買収完了、「TDK InvenSense」となった。
このような背景から現物の中にAnarog Devices刻印の製品がそのまま有ったりし、TDKのライナップとは別立てのようです。
あまた存在するMEMSマイクメーカー、TDKがInvensenseに目をつけたのはさすがだと思います。
2102 :高品位MEMSマイク ICS-40730使用マイクロホン「ProbeⅡ」のすべて の例
(ICS-40730使用)
(単体マイク用にはスペック上のどこを見るべきか)
・SN比:70dB以上ほしい、60dB台前半未満ではホワイトノイズが耳につきます。
・周波数特性:±3dBで30~20000Hz程度以上はほしい。
(100Hz以下を表記しないメーカーも多い)・・・それ以下のF特はギャランティせず。
・許容音圧(AOP):130dB以上ほしい・・・低ければクリップオンマイクにした時真っ先にひずむ。
AOP=(Acoustic Overload Point)・・・THD 10%時のSPL値。
よく最大音圧160dB、とあるのは電気的最大値、これ以上で破壊するという値。判断注意!
・ダイナミックレンジ:100dB以上ほしい
(SN比とAOPはダイナミックレンジの範囲でのトレードオフの関係にある)
・ピークポイント:10000~20000Hz間のピークはできるかぎり20000Hz側の隅に追いやったモノが使いやすい。
・サイズ:外形寸法からL・W・T各サイズを見る。
たとえば2Φ、t=0.1mmの金属パイプに収容するにはどれを選ぶべきかがわかります。
・音色/音質:周波数特性の良いものはおおむね良い結果を得やすい、しかし音に潤いや表現力の薄いものは「単体マイク」には避けたい。
求めているのは「コンデンサマイク」としての優れたパフォーマンスです。
「マイボイス・リアルタイムモニター」による診断結果はこの机上テストとして最も信頼できます。
ちなみに
国内で手に入る旧品種との比較、表を見てSN比15dB以上の違いを想像してください。
最大許容音圧20dBの差を想像してみてください。
とてもじゃないですが今の秋葉原界隈の品で間に合うシロモノでないことが一目瞭然です。
一つだけ案を言えば、あの店頭とカタログ上のMEMSマイクをすべて廃棄して、全部入替えるべきだと正直思います。
あのお店は日本のIT技術者のメッカ、駆け込み寺、そこに行っても10年前のMEMSマイクしかないならば、この分野で大陸勢にボロ負けするのは目に見えている。
日本はそこまで遅れてしまったのか?いや、「チャンネルが違う」ということだけです。
「MOUSER」を使ったUSAからの輸入ですが、注文から平均4日で到着しますので「輸入」ではなく「通販感覚」です。(処理・輸送ステイタスはリアルタイムかつ・正確です)
支払うのは商品代、消費税相当の10%となります。
1個~数個買いなど送料のかかる購入には向きませんが6,000JPY以上で送料無料となりますので25個ならむしろリーズナブルな出費で済みます。
ちなみにMEMSマイクの輸入で関税や通関手数料のかかったことはありません。
なおMOUSERアカウントは個人では作成できない事に注意が必要です。
価格例 (2021.7.21現在)
以上ご参考ください。
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おしらせ
fetⅡ、fetⅡi、fet3、LZⅡb など、読者のかたからのご注文により人気機種の製作領布を承っておりますのでお問い合わせください (いまや貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作します)
FetⅡmems、およびProbeⅡ(Mems)マイク使用も同様にリリースしています。
モノ作り日本もっと元気出せ!
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