ECM のBE(バック・エレクトレット)化以降の性能向上により、ピュア・コンデンサ型と区別されることなく認識・使用されることが多くなりました。
きょうは数あるECMの中で、特に3線式ソースフォロワの有利性について、また2線式から3線式への改造適正を探ることにしました。
(3線式ソースフォロワのメリット)
①インピーダンス変換のみ行われカプセル性能が忠実に現れる。
②カプセル出力と同相で出力される。
③最大許容音圧が圧倒的に高くなる。
④ひずみ率が改善される。
⑤これらに伴ってShinさんには歴然たる音質改善が確認できます。
◎ 2線式・3線式の違い、(SとGNDの関係のみです)
(3線式ソースフォロワのデメリット)
①プラグインパワーでは動作しない。
②シールドケーブルは単芯ではなく「2芯」が必要である。
③出力レベルが低くなる(ただしSN比は変わらない)。
入手可能なほとんどのECMで3線式ソースフォロワ使用可能です。
ごくまれに改造不可能な場合がある(ホシデンKUB-8223など)
また、S:ソース電極がGNDランドの中にある場合GNDパターンを彫り、電極分離にかなりのワザが必要な場合がある。
カプセル口径が小さいほど刃物での危険度が高くなります、十分ご注意ください。
この中で改造できないのはKUB-8223のみです、UEB-5361は3端子型、他は難易度の差のみです。
いままで改造をあきらめていたカプセルもこうしてひと手間加えれば意外な素性を見せてくれるかもしれません。
ところでECMの中には何が入っているんでしょう。
FET+超高抵抗ですがメーカーによっては「IC」と表記している物も見受けられます。
但し、ECMとは別に「ICマイク」あるいは「MEMS」マイクが実はいま熱い・・・現在の携帯・スマホのほとんどがMEMSマイクです。
MEMS(メムス)マイクロホン
(参考) http://www.st.com/web/jp/jp/catalog/sense_power/SC1564
現在,マイクロホン及びカプセルメーカーすべてこの改良研究をコンデンサマイクの最重要課題として取り組んでおり、そのスピードはますます加速されています。
近い将来、コンデンサマイクは好むと好まざるとに関わらずその一定領分は「MEMS」マイク化するとShinは考えています。
ECMを含めたコンデンサマイクは音響分野からつき詰められたアナログ・トランスジューサーであるのに対し「MEMSマイク」は半導体技術からのアプローチ、LSI 製造工程と変わらぬプロセスにより生産されるICデバイスです。
出力はアナログ式とデジタル式があり、いまのところ音質では従来型マイクに今一つ及ばないものの周波数特性・SN比など目を見張るモノも登場し、その進化はカメラの場合と同じ道をたどっている。
栄光を背負ってきた「名機マイク」も数ミリ四方のMEMSマイクにその座を明け渡すことになる日が来てしまうのではないか、そんな気がしてなりません。
※だから「音屋」の出番なんです、今です。
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