2107 :なぜ、今わざわざMEMSマイクなのか | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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なぜ、今わざわざMEMSマイクなのか?

 

≪背景≫

 MEMSマイクの台頭によってこの10年間にコンデンサマイクカプセルのありかたは大きく変化しました。

 それは10mm未満、さらに小口径の「ECM」の世界を直撃し、そのシェアを大きく塗り替えました。

組込みマイクすべてにおいて、よほどの存在理由がないかぎり小口径ECMカプセルは、どんどんその存在意味を失って行きつつあります。

 本来のニーズとはかなり異なるものの、この流れは「より大きな単体マイク」にも向かうでしょう。

 

たとえばこのMEMSマイク(ICS-40730)がどんな位置にあるのかを見てまいりましょう。

https://product.tdk.com/system/files/dam/doc/product/sw_piezo/mic/mems-mic/data_sheet/ics-40730-datasheet.pdf

 

※ 物理特性はマイクのすべての要素ではありせんが、プロフィールとしてはどうしても必要です。

 

「冷酷に」判断しても「未来」が見えるでしょう。

 

 

 

 2010年iphone4」にはじめてMEMSマイクが採用されたことを皮切りに、以降なだれを打ったように追従、スマホのマイクは100%がMEMS化し、この10年で組込みマイクに6mm未満のECMを使用するチャンスは半世紀の歴史に事実上幕を閉じました。

 

最新のInvensense MEMSマイクと小口径ECM

 

 

 しかし単体マイクの世界ではMEMSマイクとして形式を公表しているものは測定用無指向性型マイクまたは一部楽器ピックアップ、民生用スマホのイヤホンマイクなどに見られますが「隠れMEMS」はまだまだあるはずですので、それは除外します。

 

 単一指向性MEMSマイクが研究途上であり、高品位コンデンサマイクロホンのジャンルでは本サイトの実践進行状況と情報が先頭を走っている状態です。

 

 今後、MEMSマイクはさらに侵攻を続け、ECMだけでなく旧来のDCバイアス型ダイアフラムのシェアをも奪って充実していくことはまちがいないでしょう。

 

 そのあかつきにはコンデンサマイクすべてにおいて「ビフォワー」&「アフター」は別次元の結果をもたらし、新しいMEMS勢に城を明け渡さざるを得なくなるでしょう。

その時点で、現行品を含めすべてのコンデンサマイクは「ビンテージ化」を余儀なくされるでしょうから、それはそれでいいと思います。

 

 それはちょうど真空管がトランジスタになり、IC(集積回路)が天下をとったと思いきや、LSI化からさらに進み「より小さく」していった歴史に多くを学んできました。

 

 当サイトが、いつになく先走って更新スピードを上げている理由は、この100年に一度のジェネレーションを的確にとらえて前に進めたいという筆者の想いがエンジンになっています。

 

肝心な事

 コンデンサマイクとしてMEMSマイクが総じて優れているわけではありません、ここは誤解なきように。

 

「音響屋的」に優れている点を見つけ、生かして使いこなす段階だというのが筆者の認識、それでも前に進める価値を見出すべきだと思っています。

 

 MEMSマイクは、その小ささにかかわらず、あるものは大口径ダイヤフラム並みの周波数特性であり、あるものは人の声になじみやすく、共通して高感度である。

しかし優れたマイクロホンとしての要素はまだほんの一部しか引き出せていないかもしれないが、それを発見して引きずり出してやることも音響の未来を作る仕事だと理解しています。

 

 単体マイクとして製品が出現しづらいのは特に現状では単一指向性MEMSマイクがないのが大きな理由でしょう、ここがハードルになっていることは各社の研究状況を見る限り間違いありませんが時間の問題です。

 

 また音質、SN比、耐音圧の点でメーカー、品種別に熟選しないかぎり現状では「MEMSマイク」が「総合的に優れている」というというまでには達していないというのが現実、それは「MEMSマイク」の設計が「音センサー」であり「音響」用途を意識したものではないからです。

 

 私は「Invensense社の数種類の飛びぬけたファクターを「音響向け」に生かしながら、 遅々として旧技術に甘んじているマイクロホン産業を刺激する力になりたいと考えています。

 

 そのため、このサイトではすべてのオリジナル情報を「全公開」としています。

 

 

チューリップ赤 現在の到達点 2021.3.1

 

(2021年の記事より)

2102 :高品位MEMSマイク ICS-40730使用マイクロホン「ProbeⅡ」のすべて
https://blog.ameba.jp/ucs/entry/srventryupdateinput.do?id=12645698876

 

2104 :MEMSマイク 単一指向性への進化 その2(超小型ラベリアマイクの試作)
https://blog.ameba.jp/ucs/entry/srventryupdateinput.do?id=12652139475

 

2105:極小ICS-40619のNatural Mems Microphone「μ40619」
https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12655063558.html

 

2106 :あの「FetⅡ」がMEMS化して登場「FetⅡmems」
https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12656503808.html

 

 

(録音音源)・・・ProbeⅡ(ICS-40730使用)の音

このときの録音音源があります、お聴きください。

(地響きのような低音域では風のゆらぎのような超低周波振動まで感じられます)

 

かならずヘッドホンで大きめの音量、良質なオーディオインターフェースをお使いください。

(ヘッドホンでもPC直挿しでは判断不可能です)

 YOUTUBE  

 

 

 

このブログ読者のかたへのFetⅡmems領布についてはメールにてお問い合わせください。

入手の難しいかたにINVENSENSE社 ICS-40730をお一人様2個限定で1回のみお分けします。

条件はリフローおよびICS-40730「SOLDERING PROFILE」を理解され、「プレヒート」と「クリーム半田」による手半田手順と「瞬間手半田」を自己責任で実施できるかたのみとします。

 一般部品同様の扱いでは簡単に破壊し、マイク自作初心者のかたに取り扱えるデバイスではありませんのでその場合ご遠慮ください。  (下のメール窓よりお問合せください)

 

 

以上

本記事の無断ネット盗用は犯罪です。

 

 

おしらせ

fetⅡ、fetⅡi、fet3、LZⅡb  など、読者のかたからのご注文により人気機種の製作領布を承っておりますのでお問い合わせください (いまや貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作します)

FetⅡmems、およびProbeⅡ(Mems)マイク使用も同様にリリースしています。

 

モノ作り日本もっと元気出せ 

 

【おことわり】

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