WM-61A はその後、高値ながら必要に応じて入手は可能です。
ニセモノも出回っていますので適切な判断が必要です。
筆者自身は販売終了前に秋月より一定量を確保して、防湿保管していますのでこの代替品の評価は行いましたが、普段使いはやはりWM-61A、これには普遍的な良さを感じます。
もちろん、物理特性の優れたEM-158の選択肢もあります。
そこで、めずらしく 「LZ-Ⅱ」 の改良版製作となりました。
新機種 「LZⅡb 」
WM-61A(改) 「ファンタム式パナ改マイク」しばらくぶりの新機種です。
(回路について)
8年前、1年間かけて高品位遠距離伝送の実証実験を行ないながら「低インピーダンス・バランスOUT」としてXLRコネクタ内に入り納得できる内容の回路を調整して完成に至った経緯があります。
結果200m超え程度では、劣化は微塵もみられず無延長との聴き分けは困難な高品位音質を確保したのがこの回路です。
シミュレーションでは1kmでも問題のないことで定評のLZ-Ⅱがそれです。https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-11361654313.html
このファンタム動作差動回路は「茶こしマイク」と呼ばれて音響家間で有名になった「ピアノ用XYステレオマイク」にも採用され、某ホール常設されたものが演奏家にも好評で噂が広がりました。そんなマイクロホン回路です。
マイクロホン回路を見るとき忘れてはならないのは「その先」まで、ケーブルとファンタム回路を含めたマイクAMP「HA」までを「マイクロホン回路」として読む必要があります。
XLRコネクタ出力部まではカプセルのインピーダンス変換を主とした「途中回路」です、このこと抜きにコンデンサマイクはあり得ません。
(回路図)
(ファンタム式パナ改マイク LZⅡb )
今回、ミニサイズTRへの置き換えマイナーチェンジを行ないました。
FetⅡ の2SK330・2SK2880と比較して2SA970は二回り大きく、いざとなると基板上ではつらい存在、躊躇しがちでした。
最近 2SA933s https://pdf1.alldatasheet.jp/datasheet-hdf/view/107607/ROHM/2SA933S.html
の可能性をを見つけたことでLZⅡ はミニサイズTRの使用により、LZ-Ⅱb として楽な製作と、この機会に定数の見直し・低電流化を実現しました。
基板部でハミ出すように苦しそうだったTRがだいぶ楽になりました。
基板全体ではケミコンが大きいのでサイズはLZⅡと変わりません。
基板左側、50V22μFのケミコンは銘柄により結構音が変わります。
数種類交換しながら「マイボイス・リアルタイムモニター」にギターの録音を加えたテストの結果、結局元々の「東信Jovial」に戻りました。
このコンデンサ比較テストにおいて、判断のつきにくい、微妙なニュアンスの判断には、やはり楽音以上に正確な結果を出すこともハッキリと認識できました。
すなわち、自分の声をリアルタイムにヘッドホンモニターする「マイボイス・リアルタイムモニター」の弁別能力の物凄さには「脱帽」以上のものがあります。
この結果が好ましければ楽音でも必ず良い結果になる、という逆説すら成り立ち、筆者は古くからマイクロホンの音作りに信頼して採用しています。
「マイクロホンの能力は自分の声で一瞬でわかる」ということです。
10年間、これでマイクロホンの微細なチューニングすべておこなっていますが、その評価結果は測定による物理特性とは比較になりません。
未知のマイクの能力はそれを手にした瞬間に知ることこそ大切です。
一番不適切なのは「次の録音(使用)チャンス」を待ってテストする」とおっしゃる、それまでは「海のものとも山のものとも分からない」というバカバカしいパターンなどあり得ません、想像もつきません。
マイボイス・リアルタイムモニターについて
https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12193806281.html
https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12389007576.html
https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12368523863.html
(他人の声や録音音声では不可能です)
かくして新LZ-Ⅱである LZ-Ⅱb の誕生となりました。
以上
追)この「LZⅡb 」は fetⅡ、fetⅡi、fet3 に加えてご注文により製作を承っておりますのでお問い
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