1711 :リボンマイク MXL R-144を高級マイクに変身させる弩級トランスがある | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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バブルの頃から復活の兆しを見せはじめたのがリボンマイクである。

一旦絶滅したマイクロホン方式がここまで完全復活した例はほかにはありません。 

 

「定番」と呼ばれるようになった新しい時代のリボンマイクがある。

 

MXL R144を中心としたネオジウム・マグネットの新設計、安価リボンマイクです。

 

タッチノイズの激しさを除けばリボンマイクの音がする。

デザインの違いはあっても音質はほぼ同一の板っペラリボンマイクは共通して「ドロン」した低域と萎えた高域が特徴的です。

 

したがってRCA 77DXや東芝 Bベロほかアルニコの「オールドリボンからすると俄然もの足りなさを感ずる。

それは「作りっぱなしリボンマイク」の決定的な課題であろう。

手ざわり感覚すらない1.8ミクロン厚のアルミ箔を自由に操ること自体普通ではないがそれがリボンマイク職人の仕事であるが、出たとこ勝負の仕事にしか見えない。

 

1万円なのだから・・・と区別する必要はない、マイクはすべて同じ土俵に上がった力士のようなもの、マイクロホンは平等、貴賎はない(はず)。

そんな格安・定番リボンマイクを高級機に変身させる方法に「トランス換装」がある。

音創り研究会のTRM-1、キレ良く延びた低域と力強い中域、艶のある高域が手に入ります。

 

4つ葉 R144の決定的欠陥である「タッチノイズ」「ケース鳴き」については2年前の記事で解決させているのでこちらをご参考ください。

http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12097139179.html


4つ葉 さらに2年前のこの後編記事ではタッチノイズ・ケース鳴きの排除に加えてRCAのコピーであるトランス、EDCORの「RMX-1」に換装した高音質化をおこなっておりトランス換装でリボンマイクの表情を一変させることが証明されている。

http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12104997363.html

 

 

4つ葉 高域反射板追加

オールドリボンマイクでは必ず備えている「高域反射構造」はネオジウムのニュー・リボンマイクにはまず見当たらないが。

大変簡単な内容でも効果は大きいのでご参考ください。

http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12240118422.html

 

高域反射板アリ・ナシの高域端(ハイエンド)の違いに注目

私が「マイボイス・リアルタイムモニター」で調整していくと77DXに似た高域の表情から国産、東芝Bベロの高域表情に酷似して変わっていくから不思議です

 

2つの銘機の決定的違いは日米言語による違いです。

 

Bベロは母音言語適正。 77DXは子音言語適正という特徴を持っており中~低域の音作りメカニズムが複雑かつ独特である。  

 

両者の設計思考の違いはいま見るとあらためて興味深い。

 

東芝Bベロ、RCA77DX(Bポジ)の高域端(ハイエンド)に注目
 
 

 

 

さらにその後、集団開発したリボンマイクトランス

 

 

TRM-1  そのクオリティが凄い!    

私もメンバーのひとりである「音創り研究会」=アマチュア無線集団の開発したリボンマイク用トランスがそれです。

私も音決めに加わって開発したのが「TRM-1」です

http://akkeshi.cocolog-nifty.com/blog/files/trm1.pdf

 

 

残りわずか ですのでリボンマイクキットの時のような悔しい思いをする前に「今は要らないけど・・・」の方も在庫のあるうちに手を打ってください、多くの方からの強いリクエストによる再生産分ですが在庫限り、再販売の予定はありません。

 

今ならこちらから入手できます

http://psk31.cocolog-nifty.com/oto/

 

 

ワイアレス 音響家が知るチャンスはありませんが

アマチュア無線の世界では「音響」分野とは比較にならないくらいリボンマイクが好まれて使用されています。

 

 

(試聴テストに使用した各種リボンマイクトランス)

右列は3種類の試作サンプル品・・・どれもひと味違うなかTRM-1モデルは異彩を放っていた。

鳴き合わせ試聴テストを繰り返し、激しい議論の末、右上のTRM-1モデルで決定

 

TRM-1とは

 

既存のリボンマイクすべての音質を飛躍的に改善することが目的。

この珍しいトランスは2つの目的で、会の全員が関わり開発しました。

 

まずは「R-144」の換装用、もう1つはリボンマイクキット「DRM-02」用途を狙いました。 

 

LUNDAHLの半額強、EDCORより100円高いですが内容的にはかなり異なり、こんな話があります。


TRM-1が完成したのち、トランス開発担当者は自身所有のLUNDAHLのリボンマイク用トランスを特価で処分している。

 

「名トランス」の地位をほしいままにするLUNDAHLもこうした扱いとなった。

 

 しかしそれは試作・試聴段階ですでに結論が出ておりTRM-1は驚愕の実力を見せていたからです。

 

マイクロホンの音は言語圏により音質的特徴が異なりますがリボンマイクはそれが極端に強くあらわれるようです。

 

母音言語である日本語を意識して作られたMade in japanのトランスはいまどき例がないでしょう。

 

 

TRM-1 リボンマイク専用高品位トランス(既存マイク換装用)

「響」という「和」のテイストを持つMade in Japanの傑作トランスをお試しあれ。




弩級!このぶっといのが一次巻線となり10ターン巻いてある。(一次側巻線抵抗0.1Ω以下)

 

巻数比は一般的に1:37であるのに対しTRM-1は1:50。

結果、見かけ利得で約3.5dBあり、実使用でもこの差はきわめて大きいです。

 

ぶっとい巻線が短絡同然のアルミリボン振動板からのナノボルト単位の発電出力をガッチリ受け止めてくれる。

だからこのトランスのピュアな力強い音は他に例を見ないものとなっているのでしょう。

 

(20~20000HZとしているが実測では100KHZ以上までフラットです)

 

オルトホンMCカートリッジ用高品位トランスとしても隠れた名品になっているようです

 


 結果

これによって音質の改善されたすべてのリボンマイクは未改造の新品と比較してみてください。

したがってShinは結果報告はおこないません。

未知数の結果は各位が答えを出してください、それは素晴らしいものである事を確信しております。
 

 

(余録)

昨冬TRM-1の開発途中、おなじく開発中のリボンマイクキットの試作品を持込んで・・・、

また昨秋もTRM-1搭載の同一マイクが冬・秋2回にわたって津軽三味線のホールPAで比較試聴された。

いずれも各種・各方式マイクが多数用いられた。

終了後、ノイマンU87との甲乙が話題となったのはこのトランス、TRM-1搭載の自作リボンマイクであった。

2回ともそれぞれ違うプロ・オーディオメーカーから熱く詳しくこの内容の説明を求められ、1社は代表的なマイクメーカーであった。

 

本気度半端じゃないリボンマイク専用トランスをご紹介しました。
 

仏に魂を入れるのはあなたです。

                                        以上

 

 

お知らせ)
fetⅡ、fetⅡi、fet3 、fet Vなど、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (希少となったWM-61Aとオリジナル・パーツで製作)  
(Shinの「ファンタム式パナ改マイク」は従来通りPanasonic WM-61A使用です)

 

 

モノ作り日本もっと元気出せ 

 

【おことわり】

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