★(ご注意):このブログ記事の商業的窃用については厳にお断りしています 管理人Shin
古典的な懸架式大口径コンデンサマイク。前回作品を進化させ一般的な「45度傾斜交差」のスプリング吊りにして美しさを強調。
古典マイク定番の45度傾斜交差懸架構造採用
スッキリした姿は斬新ささえ感ずる。
つづいて入荷したFLATな1インチカプセル(KT2578EC)を使った単一指向性マイクを製作しました。
これがすこぶるイイ~。
(KT2578EC メーカー発表データ)
※ このカプセル(KT2578EC)の問い合わせ、入手については下記にお願いいたします。
https://www.kouwa-tech.tokyo/contact.html
【最大課題】
自作マイクでは例を見なかった「懸架式構造」はメーカー製品に対し唯一デザイン的に対抗できる方式、大いに採用すべきだと思います。
この事は自作マイク最大の悩みである為この構造は救世主になると思います。
今回最大の難関
ハム(誘導音)対策、これはEMC(電磁環境両立性)の立場から基本に忠実に、原理原則に忠実に、自然現象を受け入れ対応することでハムノイズを「皆無」にしました。
この点のノウハウが懸架式コンデンサマイク最大の難関といえますが、要点は下記の通りです。
これを省いた場合、動作しても常に又は簡単な条件で必ずノイズに悩まされます。
(要点)
①分散金属構成物の一体化、等電位化、擬似接地化 ②カプセル背面、超ハイインピーダンス部分の静電シールド(ファラデーケージ化)
(材料)
①1インチECMカプセル(FETナシ) ②AMAZONのXX700,800のショックマウントから外ワクの流用 ③真鍮メッシュ30少々 ④25φゴム・グロメット
⑤ビス ナベ2-10 4個 ⑥ビス ナベ3-6 1本 ⑦引きスプリング(詳細前回記事参照)
⑧ECM専用FET 2SK1109 1個(またはFET+500MΩ高抵抗)
なおShinオリジナル「焼き付け塗装」を加えて完成度を高めてありますが、踏襲、代替、は自由にご参考ください。
【製作】
1.懸架枠
①xx700、800付属品のショックマウントより枠を取りてバラします。
②図の通りスタンド用金具取付穴の位置を45度ずらした位置に変更する。
③ 黒色つや消し焼付塗装
加工後、つや消し黒の焼付塗装を施す。
詳細はこちらの記事参照:1411 誰でもできる「電子レンジ・オーブン焼付け塗装法」の完
成 http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-11806896051.html
2.インピーダンス変換
3.真ちゅうメッシュの加工
②真ちゅうメッシュの黒染め 左:「黒染め」前 右:黒染め後 後ろ:真ちゅう黒染め液(パティーナ)
4.マウント
①完成したマイク部ブロック
※この部分、詳細は前回記事1618 を参照ください。
②カプセル背面(高インピーダンス部分)のシールド
③外枠にGND落とし(分散金属をひとまとめにした等価的接地)。
回路的には前回の記事:1618のfet-RVu とまったく同一です。
【音】
プレゼンスピークは一切なく20kHZまでフラットに伸びきっています。
ハイエンドをロールオフさせて音をまとめウェルバランス。ここはSW切替があっても良いと考えます。
その結果豊かな低域特性を持ち、高域端の穏やかなファットで渋い音をめざしたその音はズバリ魅力的です。
自身で弾く三線の収音では弦との強いアタック音(爪音)で汚れることもなくSONY C-38Bとの比較が最も適切、和楽器を含めたオールマイティな使い方が可能な大変高品位なコンデンサマイクに仕上がりました。
手間ひまかけた甲斐がありました。
ひとこと
★ 既存マイクのケースを利用したヤドカリ手法についてご注意
サイドアドレス型では問題にならないこの手法ですが「軸方向単一指向性」マイクではその背面構造で即、音が激変することは案外知られていません。
軸方向単一指向性マイクではメーカーでもこの部分を恐れ「コの字型」と呼び、そのキャビティ構造の有害性と戦っています。この宿命を生かすか殺すか、これを制していかに目的の音作りをするかは高度な計算と経験による世界のようで、これにはカプセルと筐体は一体のものとして設計、チューニングされます。
筒状マイク自作では思うようにならない単一指向性型の難しさポイントとしてご理解、ご注意ください。
以上
(お知らせ)
fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作)
(Shinの「ファンタム式パナ改マイク」は従来通りPanasonic WM-61A使用です)
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