1504 :ファンタムで動作の「真空管式ファンタムパナ改マイク」実験(2) | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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史上初! ファンタム電源を真空管(一般管)の「B電源」に、荒ワザ炸裂。

「真空管式ファンタムパナ改マイクロホン」は新しい可能性を開いた

さあここからが楽しみです。

 

(注) 第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

 

たまたま手持ちの双三極電池管(3A5)で前回は基本動作の確認はできた、しかしひどいマイクロホニックノイズの嵐に音質の詳細など判断できるはずもない、しかし・・・・

そうだ! 前回は「できる」のか「できない」のかが目的、こまかい事はあまり気にしなかった。

 

電圧でリニアな「傍熱型双三極管」探し・・・GL-5670を調べているうち定番の12AX7(ECC-83)良い感触のデータを持ち、キャラクターが豊富なので使えそうなものを数種類入手した。(下写真)

 

集めた12AX7ファミリーの数々

ウン10年ぶりに真空管なるものを買いに出た。「高い! 高い!」

 

東芝、NEC、RCAなら1本4,500円だとか・・・適価なのは中国製、ロシア製のようです。

さあこの中で適切なものは?

 

あっ、ちなみにこのマイクロホンシステムはきちんと48Vのファンタム電圧が必要なのが特徴、ファンタム電圧が低めの卓では正常な動作は期待できません。

 

(各真空管をファンタムパナ改マイクとして使用した音の特徴)

・・・・拡大してご覧ください・・・・

音質評価はあくまでもShin自身の感ずるものです

イクロホン用途の真空管は楽器AMPやピュア・オーディオとはまったく別のファクターが求められることに気付かされました。

 

今回はこの中でShinがマイク用途として惚れ込んだのがこの球。母音言語である日本語にマッチし、ワイドレンジかつまろやかな音、そして倍音表現はしっかりと「イイ」。

東欧、スロバキアJJ ElectricECC-803 S」がそれだ。

 

前身、TESLA社はTELEFUNKENがECC83の低雑音化・高信頼化をはかったECC803SのOEM供給を行ってきた東欧の名門、といわれるメーカー。

JJ Electricは国の分離後、元TESLAの幹部がスロバキアで立ち上げた新進メーカー、という関係にあるようです。

 



スロバキア、JJ Electric製 ECC803 S

http://www.thetubestore.com/lib/thetubestore/JJ-ECC803-S.pdf

 

歩き疲れたが実に良い買い物がリーズナブルにできたと思っています。

 

【実験回路】


直結回路は直近(3m以内)、ある程度「伝送」が必要な場合はトランス結合である必要があります。

 

(実験)

池菅3A5のときと変わらない方法で行った。カソードがあるので電極の役割がきっちりとしています。

 

1.トランス結合(タムラ TD-1715使用)

出てきた音の第一印象、「これはイイ」、こういうのは最初の一瞬でわかります。

Shinさん・・・といえば「ファンタム式パナ改。

この人気マイクである」、fetⅡとの比較をこころみました。

 

・周波数レンジの違いは感じられない。

・音が図太く前に出る。

・リボンマイクのようなつややかさを感じる

・レベルメーターの振りを同一にして比較すると耳で感ずるエネルギーは完全に大きい。

・トランスをさらに選べばちょっと凄いマイクになりそうな気配。

・しばらく聴いたあとfetⅡ に切り替えると、何か物足りなさを感ずるほど豊かな音に包まれています。

トランス結合の実験中写真

(電流測定はこのあと1Ωをシリーズにした電圧降下で電圧変換読み取りに変えた)

 

2.直結回路

fetⅡとの音色の一瞬でわかるが。早計な結論は避けるべき。

しばらく聴きながらA/B比較すると、球のマイクに慣れてきて正確な判断ができるようになります。

 

基本的にはトランス結合と変わらないがクリアな直結回路の音が味わえるようにケーブル長は3m未満で使いたい。

正式版では「トランス、直結切替式」にしたいところです。

 

 

驚きなにっ!ヒーター電池が単三で7時間近く保っただと?」

   電池の寿命試験

 

ルカリ単三乾電池の容量がいかなるものなのか、これはメーカーでも発表していない。周囲環境、保存状態ほかで大きく変化するからである。

但し、大昔の単一マンガン電池より容量の上では大きいようだ。

このローソン100で購入した電池

(4本100円)を使用した。

 

回路図の通りの「トランス結合回路」で新品電池を開封し、このマイクを動作させ、音声が止まるまでの時間は何と6時間52分というとんでもない記録を叩きだした。

6時間50分の時点、ヒーター電圧は2.87V、IPは0.3mA、音声正常)

 

一点の曇りもない音を送り出し続けている、そこから約2分、急に音量が落ちてプレート電流が0(ゼロ)に、6時間52分、ご臨終。

 

まるで我が終焉の願望を見せつけられたような光景であった。

 

この時電池の両極電圧とプレート電流を監視しながら電池の寿命テストはおこなわれた、IP電流値は0.3mA終始一定であった。


ここまで電池がもてば大抵のシチュエーションで本番中の電池交換は必要ないが、「4時間」程度を安全圏と見ておく必要があるでしょう。

 

電池(青)電池(赤)電池(モノクロ)近いうちに「アルカリ単三電池」のライフテストを特集する予定です。

 

 

(考察)

「ファンタム式パナ改マイク」をこんな形のモデファイ実験するなど思いもよらなかった。

「パナ改」の創始者:Linkwits氏も真っ青になる出来事だと想像しています。

 

このブログTOPにある「ないものネダリこそ開発の原点だ」という自分の掟を基に、馬鹿げたことをクソまじめにやってみたらうまくいきました。

 

(次回)

仕様的には今回の実験機をはるかに超え、常識にはとらわれない夢を積み込んで本チャン機の製作にとりかかります。

 

 


 

(お知らせ)

fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作)   (Shin)

 

 

モノ作り日本もっと元気出せ   

 

 

 

【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。

 

★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。

 

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