1424 :単一指向性ステレオマイクのタッチノイズ軽減に挑戦 | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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昨年 1308: 「読者の方の力作紹介」

http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-11471261727.html の作品、つづいてこの防振について発表願った記事があります

 

この記事に刺激を受けられ、ステレオバーに単一指向性マイクを組み込んだ「ステレオマイク」を自作されたのがブログ読者のAさんです。

クラシック録音を主にやっておられ、UEB-5261使用の単一指向性のマイクロホンになっており、私のブログを参考にされ、数々の自作のマイクで頑張っている方です。


 

 

【今回のステレオマイク】


なかなか工夫の跡が見られる作品です。

しかしながら・・・そう、単一指向性は無指向性の延長では出来ない難しさがあります。

 

案の定、ステオアームにちょっと触れただけでタッチノイズが大きく、

「ボンボン」と激しく音を立てるのがご本人の悩み。

 

本来、カプセルの段階がら防振するのが普通だが、いまココにあるマイクを改善するのもアリだと思います。

上:対策前、下:対策後


 

 

アームの一定の場所を一定の叩き方で比較を行った

タッチノイズで聴こえる異音は実集音すべてに付きまとう「汚れ」です。

どんな事をしてもこれを減らすのは指向性マイク製作に不可欠な重要なワザです。

 

 

 

 

【改善】

最初はケーブルのアームへの固定をはずし、アーム全体を「ブチルゴムテープ」でデッドニングし、マイクをドーナツ状のスポンジで包んだ、周囲の金具は、ガスホースの止め具です。


その結果:中域の大きな鳴き、高域まで分布されるその破片は消えた。

ピークを抑え、30~40HZから200HZあたりまでの範囲に「鳴き」を平らに馴染ませた。  まだまだ・・・

 

 

インシュレータに耐震用の粘着性・強力制震材「エラストマー」使用

 


さらにノイズレベルを低くさせ、低域側に寄せた、ここまでですね、ご覧のように10dB改善してくれているし。

手を打ちましょう、「ボンボン」という付帯音が消え、「スッキリ」した音に変わった。

 

 

 

(材料)

使用した「ブチル・ゴムテープ」「スポンジカバー」と100円ショップの耐震マットである「エラストマー材」、マイクロホンのフローティング・ホールドに使うガス・ホースの止め金具。


 


 

 

【完成】

 

スタンドに付けようとしたが、AKGもJISも入らない、作者にうかがってみれば「カメラネジ」とのこと、かくして完成したマイクはカメラ三脚に乗った。

 

(マイクから出ているケーブルはステレオアームに共締めするだけでインシュレータ能力はほとんど失ってしまいますので、つい「固定してスッキリさせたい」気持ちはわかりますがこの場合は厳禁です。

 

この辺がマイク単体に防振構造がない場合の「単一指向性」マイク独特の難しさです。

 

ひらめき*速度穴を完備し、単純に「無指向性」と同一マウントした場合、理論的に

(無指向性比)

・タッチ・ノイズ:10~14dB増加

・風雑音:10dB以上増加

・そして元々低域は出ないのでカプセルがいかにそれを救済した設計かが重要。

 

単一指向性マイクのクラフトはこの点を克服させてはじめて完成に至るわけですが、想像を絶する難しさがあるわけで、だから面白いのです。

 

 

 

 


 

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