昨年 1308: 「読者の方の力作紹介」
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-11471261727.html の作品、つづいてこの防振について発表願った記事があります
この記事に刺激を受けられ、ステレオバーに単一指向性マイクを組み込んだ「ステレオマイク」を自作されたのがブログ読者のAさんです。
クラシック録音を主にやっておられ、UEB-5261使用の単一指向性のマイクロホンになっており、私のブログを参考にされ、数々の自作のマイクで頑張っている方です。
【今回のステレオマイク】
なかなか工夫の跡が見られる作品です。
しかしながら・・・そう、単一指向性は無指向性の延長では出来ない難しさがあります。
案の定、ステレオアームにちょっと触れただけでタッチノイズが大きく、
「ボンボン」と激しく音を立てるのがご本人の悩み。
本来、カプセルの段階がら防振するのが普通だが、いまココにあるマイクを改善するのもアリだと思います。
上:対策前、下:対策後
タッチノイズで聴こえる異音は実集音すべてに付きまとう「汚れ」です。
どんな事をしてもこれを減らすのは指向性マイク製作に不可欠な重要なワザです。
最初はケーブルのアームへの固定をはずし、アーム全体を「ブチルゴムテープ」でデッドニングし、マイクをドーナツ状のスポンジで包んだ、周囲の金具は、ガスホースの止め具です。
その結果:中域の大きな鳴き、高域まで分布されるその破片は消えた。
ピークを抑え、30~40HZから200HZあたりまでの範囲に「鳴き」を平らに馴染ませた。 まだまだ・・・
インシュレータに耐震用の粘着性・強力制震材「エラストマー」使用
さらにノイズレベルを低くさせ、低域側に寄せた、ここまでですね、ご覧のように10dB改善してくれているし。
手を打ちましょう、「ボンボン」という付帯音が消え、「スッキリ」した音に変わった。
(材料)
使用した「ブチル・ゴムテープ」「スポンジカバー」と100円ショップの耐震マットである「エラストマー材」、マイクロホンのフローティング・ホールドに使うガス・ホースの止め金具。
スタンドに付けようとしたが、AKGもJISも入らない、作者にうかがってみれば「カメラネジ」とのこと、かくして完成したマイクはカメラ三脚に乗った。
(マイクから出ているケーブルはステレオアームに共締めするだけでインシュレータ能力はほとんど失ってしまいますので、つい「固定してスッキリさせたい」気持ちはわかりますがこの場合は厳禁です。
この辺がマイク単体に防振構造がない場合の「単一指向性」マイク独特の難しさです。
速度穴を完備し、単純に「無指向性」と同一マウントした場合、理論的に
(無指向性比)
・タッチ・ノイズ:10~14dB増加
・風雑音:10dB以上増加
・そして元々低域は出ないのでカプセルがいかにそれを救済した設計かが重要。
単一指向性マイクのクラフトはこの点を克服させてはじめて完成に至るわけですが、想像を絶する難しさがあるわけで、だから面白いのです。
(お知らせ)
fet V、fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作)
ものづくりニッポンもっと元気出せ!
【おことわり】
★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。
★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。
★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。
★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。
ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします
メールはこちらから sound_ai♪xk9.so-net.ne.jp (♪は@に直してください)