※ この記事は公開から13年以上経過していることにご留意ください。
2024年追記
(本記事の改良版があります) 2012.9.13追加
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-11348621192.html
出来た!
出力インピーダンス:95.62Ω を記録したのが先般の試作でした。
今回はいよいよプロトタイプが姿を現しました。
このたび超低インピーダンスのLZ-1 として「ファンタム式パナ改マイク」の仲間に加わりましたのであらためてご紹介いたします。
これは約1年前から自分に対する強烈な課題として周辺を埋めてきました。
劇場・ホール内では200m以上のマイクロホン伝送などあたりまえ、1mあたり150PFという大きな容量を持つL-4E6AT(設備用)は100mで0.015μF、200mで0.03μFとなります。対シールド間容量を考えるとさらに尋常ではありません、こんなコンデンサみないなケーブルで20,000HZでもヘタレナシで伝送できる回路の実現と同時に実マイクに採用したのが LZ-1
さらにパラレル(並列)耐性も際立ち、600Ω純抵抗パラ時「レベル変動」はまったく無視できる程度。
常識外の100Ω純抵抗パラでも約-3dBと、トランスを使った頭分けにも最適な状況が出来上がりました。
無指向性カプセルは世界で試され尽くされたWM-61Aのソースフォロワ、これを「パナ改」と呼び、その自然な音は録音家の間で折り紙付きだ。
Shinはこのパナ改をファンタム動作の業務用マイクに転用出来ないか、と考え
スモール・ダイアフラムマイク「ファンタム式パナ改マイク」として発表してすでに2年半、あらゆる現場でご好評いただいております。
案の定ノイトリックのXLRコネクタの中にどうやってあの回路の物量を基板にして収容し切るか・・・というのが最大課題。
こういうのは案じていても先へ進まない、まずケースの最大値を作り出すことから開始だ。
それを元に部品搭載をシミュレートした回路基板の安全域での最小値を決める。
【回路を収めるXLRコネクタ部】
これはShinさんお得意の合体ワザです、かなり長手方向に余裕が出来ました。
コネクタ部:ノイトリック NC3-MXB、つまり旧型ノイトリックだ。
ブッシング部:Amphenol AC3MMB、ブッシングだけ使う。
残材はAmphenolのコネクタ部とノイトリックのブッシングでXLRコネクタ 1個になるから捨てる部分はない。
※このケースサイズは自分に対しての挑戦状、頑張ればAmphenolに全部入るはずじゃないか。
※ただしAMPHENOLにはシェルGNDの端子が存在しない。
(measurement-fetⅡはfetⅡからさらに4穴分(2.5mm)短い)
ここからがスタートです、ユニバーサル基板5穴×10穴で作ります。
fetⅡなどでは4穴×6穴、measurement-fetⅡでは4穴×5穴が限界になりますのでずいぶん大きくなりました。
(面積比1:1.9)・・・fetⅡとの比較で、
一方、mwsurement-fetⅡでは(1:0.85)です。
それを考えると出来ないわけがない、と確信。
XLRコネクタ①②と③の間に基板を挟みこむますが、長い電極は切り落とすなどしてすべてにおいて最小化します。
コネクタ・基板・ブッシングと並べてみました、何だか入りそうですね。
コンデンサのハカマの部分を削り落とす、リード線を削らないように注意!
(実際にはミニルータを使用して削り落としました)1mm程度高さを減らせる。
主要コンデンサは独レーダーシュタイン社のERO HKT-1826と国内で人気度上昇中のSANYO OSコン使用というこだわり。
(業務用パナ改マイクロホン LZ-1 各スペック)
形式 : 超小型コンデンサマイクロホン(ECM)
使用ユニット : パナソニックWM-61A (ソースフォロワ改造)
指向性 : 無指向性
最大音圧 : 130dB/SPL(1% THD時 )
適合ファンタム電圧 : +18~+48V
出力インピーダンス : 96Ω±3Ω
<各サイズ>
マイク部 : 長さ27mm(後部スプリング除く)×直径8mmφ
AMP部 : ノイトリック3Pオス(旧)+アンフェノールAC3MMBを筐体とす。
重量 : 75g (ケーブル3m含む)
適合WS : REXSER RZM804LWS(上写真本体の上)
基本スペックはfetⅡをベースに超低インピーダンス回路を構成、出力インピーダンス約94Ωを実現。
感度は従来のファンタム式パナ改より数dB低い、従来が高めだからこれで普通だ。
この「LZ-1」をベースにさらなる進化が既に始まっています。
(おしらせ)
fetⅡ、fetⅡi、measurement-fetⅡほか、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください Shin
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