タジミがITT CANONに置き換わり、JAE CANONやスイッチクラフトを経てノイトリックが大きなシェアを持つようになって久しい。
いつの世も優れたモノには類似品が現れシェアの一部をかじる、良質なものからサードパーティ品とも呼べないような粗悪品まで出現し、範囲は広い。
それではこのアイテムではどうだろうか。
不明メーカー品(上)とノイトリックNC3-MXXB(下)
写真2、
上からノイトリックNC3-MXB、中段・アキバでよく見かける格安品、
下・AMPHENOL AC3-MMB
前回「ティーストレーナマイク」で往生したのがXLRコネクタである。
結局、電極もシェルもノイトリックに取り替えて残留ハムは治まった。
AMPHENOLのXLRはデザインの良さでShinさん惹かれる部分があるのだが、「シェル・グラウンド(GND)」の端子そのものがない。
ノイトリックタイプのグループでは異色だがこれでは困る場合も出るだろう。
AMPHENOL AC3-MMB
シェル内部はすべて塗装されている(これはシェルGND無視のサインです。)
AMPHENOLは「シェル・グラウンド」の概念がないわけだから仕方がないが、問題はノイトリックタイプのサードパーティ品の方だ。
通常のバランス伝送ではシェルGNDの接続が有ろうと無かろうと大きな問題はないが、マイクロホンなど微小信号のOUT-PUT側に使用するXLRコネクタではシェルGNDは必須事項。
ところがである、ノイトリック以外の類似各社の製品ではすべてGND端子はあるものの残念ながら金属シェルとの導通がない、内部までお構いなく黒塗装黒塗装されている。
したがって「導通」などあるわけがない、それでも「GND」とはこれいかに・・・・
しかし大体の場合それで間に合ってしまうのが悩ましい。
ノイトリック NC3-MXXB ノイトリック NC3-MXB
GND電極のあたる部分は塗装が避けられシェル~GND電極間は完全に導通する。
GND電極のあたる部分も塗装され、シェル~GND電極間は導通がない
これは「無名メーカー」に限らず本家ノイトリック以外全部このようになっていることに注目したい。これが「なんちゃって・ノイトリック」の所以である。
☆シェルGNDの省略は「浮いた金属」を人為的に作ること、これが原理原則に反する事を理解できないメーカー技術者が多くなっているのも事実。
バランス伝送であるのでシェルGNDがどうであれコモンモードノイズに対する耐力は問題ない・・・・(はずであるが事実は違う)
「浮いた金属」は高い高周波インピーダンスを持つ、このためノーマルモードノイズに対する耐力は無防備となる。
これは照明などのSCR系・EV制御などのインバータ系・スイッチング系を中心に高周波ノイズの飛びつきを覚悟しなければならないと言うことだ。
またノーマルモードノイズ耐力とコモンモードノイズ耐力には相互関係があるため片方が悪ければもう一方も当然悪くなる。
いやはや、やはり「安物買いの○○○」は伝説じゃない。
ノイジーなトラブルでお悩みの際はこの導通をあたって見ることをお奨めします。
Shinさん、「本格的」 「ホンモノ指向」という言葉を好みません、それはまぎれもないニセモノだからです。
国内有力ケーブルメーカーでシェルGNDを最近やめたことは完全にこの原理原則(EMC理論)に反する愚行、無謀な行為だ。
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