1119 :ファンタムパワーとプラグインパワーは全く違いますよ | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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2024年1月追記

 

 

そんな事あたりまえじゃないか・・・という諸兄は今回の記事はジッと眺めていてくださればけっこうですが結構いろんな場面でこの誤解には巻き込まれまているはずです。
 

 

コンデンサマイクの低廉化に伴い、卓・レコーダ・マイクアンプ・オーディオインターフェースなどには業務用に限らず安価なものでもXLR入力とファンタム電源を備えている事が当たり前になりました。

 

しかし、コンシュマー用USBオーディオI/F、格安卓など一部のファンタム環境はきわめて低品質である場合があり、公然と改善を拒否する有名メーカーのレコーダーすら有ります、この点には気をつけねばなりません。

 (スイッチング電源やツェナーダイオードの使用、そして不適切な回路定数であてにならないモノも存在します)

 


ノイマンの開発による「ファンタムパワー方式」はコンデンサマイクに成極電圧を与え、FET型インピーダンス変換回路を動作させる為に考案されましたが、ECMまで含めてファンタム電源で動作させるようになった今、わからない方には訳がわからないのも無理ありません。


 

(ファンタムパワー回路) 



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現在では、コンシュマー機器にも普及されてきたファンタム電源、一定の理解を得るようになりましたがまだまだですね。

 

すこし前でしたら

下記のように平気で書く「専門家?」による誤った説明があふれていましたが、現在ではかなり淘汰されました。

 

<2011年現在、1~2年前までしばしば見られた説明文の例>

>コンデンサマイクの電源は普通「プラグインパワー」と呼ばれる「ファンタム電源」によって

レコーダーやPCと接続することによって動作するようになっています。   

  

上記のようなメチャクチャな説明があふれていました、まだ一部残っていますね。 

 

信号と電源を重畳(ちょうじょう)させるという点で原点は似ています。

片や平衡(バランス)型ファンタム給電方式、片や不平衡(アンバランス)型プラグインパワー方式、双方の互換性はいっさい有り得ません。


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このような「動けばいい」目的ではコストもかからず便利なので今後も信頼性を求めない安価な機材には使用されるのでしょうが・・・・

しかしこの「ミニプラグ・ミニジャック」形式の致命的欠点である「接触不良」がのちのち必ず問題化するため、「低品位かつ低信頼性でも差し支えない」マイクロホンインターフェース以外」では序々に敬遠されつつあります。

 

 


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(余談)

プラグインパワーは論外ですが私がプラグインパワー形式とミニプラグ・ミニジャックを非常に嫌うのにはそれだけではない訳があります。

 

過去記事

1051 ミニプラグ・ジャックの宿命的欠陥について は是非ご参照ください。

 

Shinは、かつてブログ開始当初、コンシュマー用途の依頼品を作製していたことがありますが、このミニプラグやミニジャックのメーカーごとの寸法・形状・材質・勘合状態・グリップ力などのバラつきやこの方式の根本的ないいかげんさ、不安定さは直流の重畳には絶対に向かない事がわかりました。

この一件は危うく係争寸前となった経緯がありますのでマジです。

 

これは私が自信をもってミニプラグ・ジャックを忌み嫌う最大理由です、私が失敗した事は、どなたがやっても、どんな高級品を使っても「失敗」に至るからです。

なぜなのか・・・・夢中で調査しました。

その結果、「ミニプラグとミニジャクによるプラグイン・パワー(直流重畳)という形式そのものがスイカと天ぷら以上に食べ合わせの悪い欠陥であるという結論に達した次第です。

 

自戒をこめた「余談」ですが事実です。

 


 

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