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2024年1月追記
音の世界には不思議な鉄則があります。
それは「姿カタチの美しい機材は音も美しい」という事実です。
無機質な音響機材に命が宿るはずもないが、まるで生き物のように振舞うことがある。
そんなのオカルトだと言ってしまえばそれまでですが、これは古今東西普遍的な事実です。
商品として好ましくないマテリアル・好ましくないデザイン・好ましくない仕上げ、こういうマイクロホンにロクなものはない、これはどうやら例外のない法則といえる。
Nagraを初めて見たときの身震いするような感動やALTECの639A(B)や77D、そして269を目にしたときの興奮は現在の機器やRODEのマイクには、ましてベリンガーなどには有り得ない。
アナログの機材は機能と密接に関連する必然的なカタチ、機能の一部がはみ出たようなデザインはそれだけで十分美しいのですが、そこにオシャレ心を加えた余裕すら感じ、これらの機材はとりわけ美しいのだと思います。
反対に、マイコン化・デジタル化された機器では「機能となんら関係ない必然性のないデザイン部分も見られ」これには心引かれにくいものです。
これは決して懐古趣味をあおっているわけではありません
≪やはり美しい機材たち≫
NAGRA ⅠVS
RCA 77D
Neumann 269(U-67の前身)
・東京オリンピック頃の製造Noのモノ 1970年代NHK仙台関連より入手
・スピーチでは日本語の美しさを余すところなく表現すると同時に琴・三味線の収音では右に出るものがいない
Sennheizer MD-441u (通称:ようかん)
・Shin所有の最も高価なダイナミック型(SM-58が10本以上買える)
・柔らかい音はリボン型を思わせ、コンデンサ型かと思わせるキレも併せ持つ。「美しいマイク」として天下一品
「本気度」が目に見えるような製品(作品)こそが唯一ホンモノになれるのだと思う。
中でもマイクロホンはECM化と同時に音響電子部品としても扱われ、20~20,000HZを切り取るトランスデューサーだと思われがちであるが、このコンポーネントの面白さは実はその先にあることは殆ど知られておらず、ユニットに配線しだけで済ませてイージーに録音しているのは実にもったいない。
「写真はレンズで決まる!」とは(故)林忠彦先生=(写真家)の名言ですが、音と向き合った時は「マイクロホンで決まる」部分があまりにも多く、「写真レンズ」と「マイクロホン」とは大変良く似た共通点を持つ。
Carl Zeiss PlanerT* 85mm f1.4 (West Germany)
このレンズ、すっかりボロボロだがShinのフィルム機時代最高の愛玉、とにかくデカくて重い。
ヘリコイド(ピントリング)の、この「ヌメーっ」とした感触を連れて手に馴染んで回る快感は別格。
開放描写は他を寄せ付けない絶品、東西冷戦時代の西独、オーバーコッヘンのカールツアイス財団製造。
MuterⅠを付け開放で撮られたモノはオリンピアゾナー(180mmf2.8)の開放と誰にも見分けがつかない。
写真家は必ず得意ジャンルを持つ、そして「対象物を撮っているのだが実はそこに写っているのは必ず「自分自身」、私は写真撮影とは自分自身の投影行為だと思って疑わない。
これは「音もしかり」 だと思います。
音響機材作り、収音法、現場での立ち振る舞い、そして最後はスタンドのネジ確認をしながらセットしたマイクには念ずるように触れるか触れないか程度の最終位置調整、そしてその場を離れる。(「頼むぞ」と心の中で声をかけながら)
私の場合これは作法でもなんでもなくイイ音を出す鉄則にしています。
【手作り(ハンドクラフト)について】
絵画や彫刻、焼き物や工芸品のように手作りであることに価値を持つジャンルがある一方、マイクロホンのような精緻な工業製品の場合、マスプロ的無機質感を目指しているため「手作り感」は何の価値も見出せないばかりか百害あって一理なし。
Shinは変なモノをお見せすることがありますが完成度の低いもの、2度と同じものを作れないようなモノは「試作品」としています。
まだまだ不十分ではありますが求めるところは「非手作り感」でしかありません。
ファンタム式パナ改マイクfetⅡの例
「手作り感」や「代用品感」は業務音響機材にとって「決してプラス要素にはならないデメリット」だと認識していますので、自分の感覚にジャストフィットしない材料の使用は絶対避けます。
ホームセンター、Hands、100円ショップ、文具店などを物色するが、そのときあれこれ手にするモノは決して本来の用途を全く考えていないので、時にうわにソラ・・・頭の中では完成したモノを描いているからそんなところだ。
時々婦人モノコーナーに立ち止まり物色していると回りの女性は何となく遠ざかるのが感じられる
他愛のない材料でも簡単に妥協して安易なモノを選択してしまうと絶対にホンモノになり得ない、それでいいのです。
完成形をイメージして「厳選」しているつもりだが、ついつい目についたモノを片っ端から買って帰っているShinさんです。
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【おことわり】
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