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2024年1月追記
Web上でこうして誰でもが自由な事を発言し合えるいい時代なのですが、Shinさんはいつも感じることがあるんです。
それは技術用語の誤った使い方についてです、これは一旦語られるとその誤りは無限に広まっていく怖さがあります。
そのため「ShinさんのPA工作室」では技術用語の表記は非常に神経を使って書いております。(お気づきの点がありましたら是非ご連絡ください)
昔ならさほど問題にならなかったことでもnet上であっというまに広まってしまい、、それが常識化する場合すらあります。
たとえば「エレクトレット・コンデンサマイク」 の事を「エレクトリック・コンデンサマイク」 と誰かが思い込み、そう呼びだしたが最後で・・・
まさかと思ったが一般の方だけでなく、技術者やメーカー ・ 販社 ・ 媒体 ・ 果ては特許庁に至るまで誤った呼び名が市民権を得ていたのには驚き、怒りがこみ上げた。
まさかの話、世界で初めてこの画期的発明・開発を行い発表した元祖メーカーまでもが誤った呼称を始めた為、Shinはこのメーカーに強く意見を正し、関連Web広告物を全面的に訂正してもらった経緯があります。
(カスの一部が関連商品各販社のサイトに残っていて、そこまでは制御不能との事だが・・・)
若いみなさまの中で技術的な意見交流があらゆる場を通じてひんぱんに行われていますので、「理科離れ」が危惧されている昨今にも関わらず大変心強く思っています。
TVなどでは、民放のニュースで用語の誤りがやや気になります、また仕事などでそういった技術に関わっていない方や物知りの方、ドラマ制作者に強くその傾向があります。
【よく出てくる用語誤り】
(電圧・電流関係の誤り)
1.高圧電流 2.高電圧が流れている 3.危険な高電流に触れる
5.100万ボルトの高電流
●知識があやふやなら「電気」としておけばだいたいの場合、間違いにならないのですが、なぜ「高圧電流」と云いたいのでしょうか理解出来ません、「高電圧」「大電流」「大電力」といえばそれで済むのですが、難しい政治・経済の話はちゃんとしているのに電気の方は分けが判らないのでしょうかね。
これを人に話すと「別に問題ないじゃない・・・」と言われることがまた大変多いのも事実、いかがなものか。
(抵抗その他の誤り)
1.「抵抗がかかって音が悪い」・・・「抵抗がかかる」とは何のことか。
2.「SPのインピーダンス、つまり抵抗」・・・説明するまでもない誤り。
(接触不良誤りネタ)
1.「スピーカユニットが接触不良だと思う」 ・・・SPユニットに接触部分はない。
2.一般に「接触不良」とは関係ないプロセスで多用されますね。
●素人さんをダマす「接触不良」は殺し文句になっていて家電屋さんが良く使う逃げ口上でもある。
◎用語誤りの法則
これ以上の専門領域には決して踏み込まず、少し考えればわかるレベルで日常的に繰り返されているのが特徴ですね。
(思い込みの危険性)
あるとき、学校を出たての若い技術者がある小規模無線現場でおびえている。
見ると「27V最大電流容量2000A/H」という旨の銘板が付いたむき出しの鉛蓄電池設備である、電極には申し訳程度のプラスチックカバーがはめ込まれ、引っ張ればすぐ外れる。
設備とはいっても2Vのセルがシリーズに多数接続されているだけである。
彼は、これが無用心で危険だ!「間違ってさわったら焼け死ぬ」と言い張るのだ。
学校で何を習って来たのか私にはわからないが、彼にとって「2000A」が刺激的なのだ、「2,000,000mA」とでも書けばどんな反応を示すのだろう。
それが間違いであることを目の前で見せようとしてカバーを外すと彼は真顔だ
私は素手で27Vの+側電極に触って見せて何も起きないことを教えた。
「ゴム手袋着用」が原則だが、第一線の技術者になる若者がこれではまずいので、こういう教え方をしたがあまりにも悲しい出来事であった。
本当に必要なイロハを学んでおらず、電気の皮膚感覚を全く知らないことに驚いた。
そういえばShinさんも小さい頃「トウモコロシ」が好きだったらしい。
今回は自戒をこめてお送りしました。
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【おことわり】
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