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2024年1月追記
お正月明けにご紹介したfetⅡi 「instrument」 に続いて楽器用クリップオン・コンデンサマイク(ECM) 第2弾です。
今回は単一指向性での試作です。
超近接収音に適したボーカルマイク用ECMカプセルを使用していますのでかなり期待出来るものになりました。(適度にローカットされています)
「1106 :ボーカル用コンデンサマイクを作った・・・ 」の記事で使用した9.5φ単一指向性ECMの使用です。
(2月27日午後、終わりかけてはいますがまだ入手は可能でした・・・千石電商本店)
※入手を逃したかたはShinまでご連絡ください少量ならお分けできます
●試作した楽器用単一指向性クリップオン・コンデンサマイク
(仕様関係は改良のため流動的になるかもしれません)
外径12φ、ルックスには徹底的にこだわりました。
マイク部先端は「黒染め」といわれる金属の黒色化処理、フロント部はパンチングメタルを施し、クラフトマイクの弱点を救うことと音響的影響の2面から詰めていきました。
AMP回路の入ったXLRコネクタ部はAMPHENOL製を使用、ケーブル引き出し部スプリングと併せ、デザイン性にウェイトを置きました。
結果としてノイトリックよりも1cm程度長くなっていますが、このままノイトリックにも入れ替えは簡単です。
(音)
ちいさなボディながらウィンドスクリーンを付けただけでそのまま高品位のボーカルマイクにもなる音質・音色です。
手許の「さんしん」にクリップオン・セットしてPAを試みました。
指向性がかなり狭いので、マイクの向きと狙い位置を選び耳につくアタック音を避けたナチュラルなさんしんの音を収音出来ます。
●AT8418クリップホルダに装着した様子
●ATの8418のほか中段のAUDIX MC20iクリップホルダも使用出来ます。
定番クリップオンマイクとの単純比較、(軽くフレキシブルシャフトを叩いた時のスペクトル)
楽器装着時、決定的に音のちがいを見せる。
普通あまり気にされませんが、クリップオンマイクの重要ファクターです。
●全回路図です
ここで注意しなければならないのは、今回のECMカプセルは「膜エレクトレット型」であるため、バックエレクトレット型とは逆相関係となります。
このため回路上でリバース処理し、XLRからは正相で出力されます。
【Shinさんのこだわり】
(使用回路)
ソースフォロワの採用による低歪化とファンタム動作の差動AMP部には絶対にツェナーダイオードを使わないローノイズ指向と小電流設計。(2mA台におさめたい)
実測 : 48V時2.55mA 27V時1.72mAで決まり。
(外観とデザイン)
徹底的に「手作り感の排除」に注力しましたが・・・まだですね
「制振構造」=(タッチノイズ・ボディノイズの徹底軽減)
小さく苦しいながらECMカプセルのフローティング・マウント構造にこだわりました。
マイク本体のタッチノイズや手摺りノイズ、ケーブルを通じて伝わる振動を避け、マイクケースやクリップホルダから伝わる振動も最小限にしましたので濁りのないピュアなサウンドが得られました。
これは他の単一指向性クリップオン・コンデンサマイクと比較しても信じられないほどの静かさです。
手持ちボーカルマイクでは神経質になる部分ですが、実は「制振構造」は楽器用クリップオンマイクではボーカルマイク以上に肝心カナメ部分、ここがダメではどんなに音作りに力を注いでも水の泡となります。
しかしクリップオン・マイクを選ぶ際、案外無視されている要素ですね。
私も以前にこんな記事を書いており、AKGとJTSの差の差は雲泥です。
1003: JTS激安クリップオンマイクをAKG C-419似に
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10432110611.html
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