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2024年1月追記
音響機材の黒色化について3回目です。
機械は何でも最初は「黒」と決まっている、進化していくにしたがってイロイロな色が登場するんだよ、という話がある。
なるほど蒸気機関車・自動車・扇風機・電話機・カメラなど云われてみればそうかもしれない。
じゃ冷蔵庫・洗濯機・炊飯器は?・・・「あれはシロもの家電と云うじゃないか」だと。
なんだかわかった様なわからないような話だが・・・
舞台の上では黒は「無」を表わす。
しかるに・・・
黒色塗装・・・ブラッセンや二液性エポキシ塗料、カメラ用ラッカー、ゴムコーティング塗料と、金属の「剥げない黒色塗装」にはかなり難儀しました。
失敗を繰り返しながら、やっと納得点にたどり着いたと思います。
結局、一番最初に選んだ「ファインスプレー・ブラッセン(艶消しタイプ)」に落ち着いた。
それは焼き付け塗装に適応する「つや消し黒色スプレー塗料」がほかには見当たらないからです。
ファインスプレー・ブラッセン(艶消しタイプ)・・・即乾性に近く取り扱いやすいです。
ずいぶん遠回りをしたものだと思いますがこれでいいのでしょう。
≪ブラッセン使用、焼付塗装≫
ガンメタリック色のつや消しですから非常に雰囲気のある仕上がりを見せるが、そのままではすぐ剥がれる、
しかしこの塗料は、耐熱性に優れており「焼き付け」を推奨しているので、試しに青い炎が上がるまでガス火で焙ったことが以前ある。
それでもビクともしないのには驚いた。
前回まで、下塗り材(プライマー)の塗布に問題があり、キレイに仕上がらなかったがいろいろ試しているうち、やはりこれににたどり着いた。
【脱脂】
塗装面に付着した脂肪分をキレイに落とさないと塗りムラが出るので脱脂の工程は大切です。しかし何を使ってどう脱脂するかが問題です。
(無水アルコール)
アルコールを使った場合、どうしてもなぜかマダラが残り塗料の密着度にも響く。
(台所洗剤)・・・(下のネジ類の塗装で採用した)
アルコールよりこちらの方がキレイに仕上がるようだ。
薄ゴム手袋をし、洗剤原液を10~20倍希釈した中でよくこする、そのあと十分水洗いする。
水を良く切って自然乾燥させる。
(シリコンオフ)・・・(下のマイクロホン・ハウジングの塗装に使用した)
こちらはクルマの塗装用、石油系の洗浄剤であり決め手はスプレー後の拭き取りにあります。
「ソフト99 シリコンオフ 300」
カーショップで普通に売られています、800~900円位
【塗装】
決して厚く吹き付けない、20~30cm離して短時間に円を描くように「薄く」、乾いたらもう一度、薄く重ね塗りし、1時間程度乾燥させたあともう一度重ね塗りして乾燥させる。
コツは塗装面を塗料でビチャビチャにしないことだ。
【焼き付け】
オーブンレンジを使い、陶器皿上で200℃ 20分ほど焼き込む、自然冷却して完了。
焼き付け塗装の完成したサンプルはこの通り、市販品並の仕上がり(下写真)
特に黒色の「蝶ナット」は市販品には見当たらず塗装に頼らざるを得ない。
【ブラッセンによる黒色つや消し焼き付け塗装の例】
サンプル写真は 蝶ナット、袋ナット、平ワッシャ を黒色焼き付け塗装したものです
(材質はこの例では全部ステンレスですが鉄ユニクロメッキの物でもほぼ同様です)
(左)塗装前・(右)焼き付け塗装完了
ハウジング部のみブラッセンによる黒色焼き付け塗装
(フレキシブルシャフトと一体化のため、やや低く170度20分で焼いた)
こうして焼き付け塗装されたものはシンナーに漬け込んでも剥がれないほど強力に金属に密着して「食いついて」います。
ファインスプレー・ブラッセンの場合、仕上がりは「つや消し」だが表面を布で磨き上げるとガン・メタリック特有、黒褐色の鈍い光沢を放ち、イイ感じになります。
(モデルガン愛好者の間に強く支持されている定番塗料です)
◎決め手となったのは、むしろ「プライマー」(下塗り剤)を使わず、しっかりと脱脂した事にあるようです。
ご注意 : トルエンなど危険な有機溶剤が含まれていますので、塗装作業は必ず屋外で行ってください。 多量に吸い込むと意識障害などを起こします。
【黒色塗装 いままでの失敗点・問題点】
1.プライマーの塗布にムラ生じ、それはそのまま上塗りの凸凹となった。
2.2液性エポキシ塗料は一気に使い切らねばならずスプレーでも保管がきかない。
3.焼き付け塗装専用塗料は4リットル缶が最低量、スプレーなどはない。
4.ゴム系塗料(プラスティディップのスプレー)などは一気に剥がれ落ちることがある。
次回は「金属黒染め」をテーマにご案内いたします。
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