1025 :WM-61Aを使った単一指向性マイクの実験 | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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2024年1月追記

 

無指向性マイクで単一指向性だと~? あんた何を言ってるの?

 

カーディオイド、ハイパーカーディオイド、スーパーカーディオイドならともかく、聞きなれない単一指向パターンに「ワイド・カーディオイド」というものが存在する。

 

高域に行くにしたがって指向性は狭く、低域ではほぼ無指向性となる。

この特性を利用して、1本でドラムの収音など独特のアプリケーションが考えられる。

ピアノの収音でも今までと違ったマイキングが考えられる。

 

Shinさんお得意のファンタム式パナ改fetシリーズのハードウェアをそっくり使い、マイクハウジングは「いろんな着火ライター」の中から軸構造の適切なものを選んで使用した。
マイクカプセルはパナソニックのWM-61A(無指向性)である。


ShinさんのいたずらPA工作室

軸方向に並べた3つのECMカプセル間隔は15mmですので気温20℃のときの音速から43.6μS43.6μSの遅延時間が算出される。


このそれぞれの出力をパラに接続して干渉合成させるため、これ以上の遅延は音を汚すおそれがある。

 

こうして得られた指向特性は、「ワイド・カーディオイド」となる。

これは一般のカーディオイド(単一指向性)とはやや異なり、周波数により指向パターンが変化することである。

中域以上は背面からの入射エネルギーは抑圧され、無指向性では得られないメリットがある。

 

【着火ライターの軸を使ったワイド・カーディオイドマイクの実例】
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スモールダイアフラムの指向性ECMとは思えない「エッ!と言うノーマルな音」

 

(特徴と考察)

ファンタム式パナ改特有のSN比の良さ

②超小型指向性マイクとしては常識を外れたワイドレンジ、超低域まで楽に収音出来る。

③原理的に「近接効果」はほとんどなく、それを利用したアプリケーションも考えられる。

④ECMカプセル間隔はさらに実験し、ベストな距離を探る必要があるかもしれない。

⑤カプセルごとに遅延時間制御を行えばさらに指向性の制御が可能となるかもしれない。

⑥流体としての「音」の回折現象まで使うため、マイクハウジング先端やスリット形状にかなり左右される。

 

 

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