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2024年1月追記
SM-57 のそっくりさんが登場しました。 JTS PDM-57・・・\1,980
ひょっとして、新製品インプレッションになってしまうのかもしれません。
Shinさんからひとこと・・・・・はっきり言いますけど「素晴らしい激安マイクです」
教えてくださった北海道の放送関係の先輩に深く感謝申し上げます。
ジャーン
はじめまして、PDM-57です はじめてなのに、なぜかなつかしい新製品
おお、これはまた良く出来ているではありませんか、ゆっくり観察してみましょう。
うーん箱もラベルも似ていますね、でもケーブルはいらない、キャノンコネクタもかなり安物。
ちょっとキモ色のマイクホルダもいらないな。
ソフトケースはついていません。
ならば、本体だけの「PDM-57-LC」にしたらいくらだろ、980円?まさか・・・1,280円あたりでどうか。
手前がPDM-57 奥は使い込んだSM-57 分解した様子(素晴らしい内容です)
国産メーカの1万円以下モノとは月とスッポン
≪ つくり ≫
◎ なるほど、これはある意味オリジナルより良く作られているかも、ツボの押さえ方がキマッてます。
◎ 塗装などの仕上げは厳密な僅かな色合いの違い以外、丁寧なものです。
ロゴ帯シールは安っぽいですですが、まあこんなモノでしょう
△ トランスは使っていませんが性能よければ(本家に近ければ)すべてヨシ
× ただXLRコネクタ部の精度が低く、ITT-CANON・ノイトリック旧型・スイッチクラフト共によほ
ど強く押し込まないとロックせず、全くロックしない場合もあります。
しかし付属のコネクタケーブルとノイトリックの新型NC3-FXXではジャストフィットする、しかし
こういうコネクタの勘合問題は絶対にクレームになるから早く手を打たないとマズイ・・・
・ オリジナルと混ざったら全部57・・・どれがどれやら区別つきません(長所なのか短所なのか)
・ 重量250gですからオリジナルの270gよりやや軽い(どうでもいい事ですけど)
≪ 音 ≫
◎ 肝心な音は?・・・・・・・・これがかなりのモノ、ほぼ57の音ですよ。(低域を除く)
× 低域特性がやや異なり、近接でも200HZ以下が薄い、ただしEQで完全に同一音に出来ます。
◎ タッチノイズ・ハンドリングノイズの抑制性能は、オリジナル以上であり立派です。
「ゴソゴソ」とやかましくて悩まされることは絶対ありません。
◎ ハウリングマージンが十分とれていますので指向特性も良好と思われます。
スペアナ波形を見てみましょう
※測定環境のクセを考慮して波形をご覧ください
使用SP : ROLAND MA-12内蔵・・・・(密閉10cmフルレンジ)正面 数cmの観測波形
≪上の観測波形について≫
<PDM-57> いかがですか?ここまで似ています。
①完全にSM-57の特性だけでなく音までコピーしていますね。
②しかし低域のカットオフポイントが250HZあたりになっている為低域不足です。
◎特に超近接では顕著となり、これが決定的な音の違いとなっております。
(オリジナルでは180HZあたりに設定されており、そこからの垂下カーブもゆるやかです)
※低域の垂下特性は、頂上近くがせり上がり、裾野が広く見える「富士山型」よりも「おわん型」に近い
カーブの方がカットオフ f 以下の音に量感があり、結果として総合的な音の潤いとして現れるようです。
◎しかしここまで素性がわかれば、どうって事ないですよね。
(2010.04.17現在、低音増強ワザを見つけましたので、完全SM57化に向けて最終検討中です)
③楽器用単一指向性ダイナミックマイクとしては非常に完成度高く仕上がっていると思います。
<SM-77> あまり聞かないマイクでしょっ
デザインも音もほぼSM-57と同じですが、やや全長が長く前面が黒色、トランスは使っていません。
特性はSM-57そっくりになっていますが、渋めの音を好んで使い分けしているスタジオや小屋もある
ビンテージモデルです。
<SM-58> ついでに見ちゃいましょう。
よく「グリルボール外せば57と同じ」というのはウソですよ、57には分厚い詰め物もあるし別カートリッ
ジ(ユニット)です。
実は1年半ほど前に某オークションで落札したものです。
「 大変悪い出品者です」・・・と怒り
のコメントが並んでいるので、「これは面白い」とあえて落札してみました。
「SM-57LC正規輸入新品」とあり1,000円で落札、ついでにBETA-58も。
案の定、何かの手数料やら海外からの送料だ、と結構な額を要求された。
「それ来た! 」とそれに応じてワクワクして到着を待った。1週間ほど後、中国から送られて来たのがこれ、体裁は完全に箱入り新品。
①配線が間違っていて音は出なかった(2-1に配線されていたので直した、アンバラ使用を前提に考えたのか?・・・・)
コネクタ配線直すとき、コテを当てたら「ジュッ」と煙が上がって「ペースト※」のあの独特な匂いがしました。
(※ペースト:半田箇所に楊枝の先でちょっと塗って棒状の半田や「糸半田」を使って半田付けする古典的な半田付け時の金属清浄剤、放置すればいずれサビる)
②トランスはなく、240gと軽い
③ヘッド部分が全く回らない
④XLRコネクタもShureロゴ入り
⑤ソフトケースがひとまわり小さい(写真右上)
⑥ロゴ帯シールはペラペラで一部は剥がれか印刷されていない(写真上中央)
⑦Shureロゴも微妙に違い、「S」などは顕著である
⑧良くみると結構違う部分だらけです(7つの間違い探しみたいです)(写真左上)
◎音質:低域の垂下カーブが「富士山型」で中~高域はハデ目で本物とは異なる、それでも家電店やネット通販の国内メーカー1万円未満のダイナミックマイクとは雲泥の差で、こちらの方がはるかに上位。
残念ながら、それほどまでに国内メーカーのダイナミックマイクは勢いを失い、一部を除き沈没してしまった。
【考察と反省】
JTSのマイクには良い印象がなく http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10432110611.html
今回のPDM-57は番外そっくりさんと同一のモノかと思って取り寄せてみたが、実体はまったく異なった超真面目な商品でした。(PDMクン疑ってゴメンナサイ)
明らかなあやしいモノも知っておくと、類似品のルーツが分かったりするので、良い教材になる。
今回のPDM-57は1,980円という激安価格からすればかなりグレードの高いマイク、そのままオリジナルの57と混用してもさほど違和感はない。
このマイクのチューニング改造をやるとすれば、カットオフf をやや下にずらし、豊かな低音にする事です。
ビールと区別つかない発泡酒などマダ甘い!同一銘柄のビールの味とノド越しの、イージーな改造をめざして、来週ご報告できるよう頑張ります。
目標は「サウンドチェックする本人でも判別不能なレベル」 約束!!
しかし、それにしても Made in China恐るべし
モノ作り日本もっと頑張れ!
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