※ この記事は2010年のものです。公開から13年以上経過している点にご留意ください。
2024年1月追記
音響管=共鳴管などメカニカルイコライザはダイナミックマイクでは設計上、原理的に必須ですが、コンデンサ系マイクでは殆ど用いられません。
しかし効果が大きい為必要ならコンデンサ系マイクでも、もっと活用して良いのではないかと思っています。
ただ、やりすぎは禁物ですので、今回スペアナの様子を見ながら適性状態を探ってみました。
Shinさんの「ファンタム式パナ改マイク」 fetⅡの周波数レスポンスはフラットですので、このイコライザーキャップをマイク前面に取り付け、高域強調の表情変化調整を行ってみました。
fetⅡのボディには目印のラインが刻まれていますので、それに合わせてやるだけで、一定の高域上昇カーブが実現出来ます。
今回試作したのは全長15mmの筒ですがこのようなスペアナの特性を得られました。
イコライザ・キャップはフリー・ストップです、装着位置はマイク本体の目盛りに合わせて決めました。
(マイク前部:8φ)
◎こういうのは「論より証拠」ですね、お確かめください
(注1)小口径SP固有のクセがグラフ上現れておりますので4つの画面は相対比較でお願いします。
(注2)130HZ以下をグラフ上CUTしてあります
実験では1目盛り~1.5目盛りの範囲で適切なプレゼンスの追加出来ました。
2目盛りでは、強い「サ行強調」となりますので、特殊な状況下での「スピーチ・エイド」ですね、これは。
音響管のLが長くなると閉管のf0が低くなり、しだいに耳につく音になって来ます。
(下は実際品です)
測定に使ったのは目盛りの位置関係が分かるように透明アクリル製、ですが実際用のポリ製のレゾネータは径に対しやや伸び縮みする、筒内は平滑な柔らかな材質です、測定上でも両者の特性は変わりません。
【実験考察】
技術の根幹部分は常に「レガシー」と呼ばれる、時に1000年・2000年・それ以上はるかにさかのぼった時代からの原理原則に支えられ、普段気つかずにいるものがあります。
機械的に出来ることは安易に電気に頼らず、「まだやるべき事があるはずだ」と見直すと結構可能性の残っている部分があります。
「音響回路」という用語もあり、等価回路で電気回路に置き換えて考察することが出来ます、そんな基本に立ち返って考えるのが、やはりマイクロホン技術の原点ではないだろうかと感じます。
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