第22回「音楽と記憶」 | ほっこり 知恵袋

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第22回市民と介護を考えるカフェ「オリーブの木」は、認知症と音楽の関係性が明らかになり、数年前に話題になった映画「パーソナル ソング」のDVD を鑑賞しました。忘れてしまった記憶を、音楽が呼び戻すきっかけを作るという内容です。アメリカで話題になった、ドキュメント映画です。
映画鑑賞後、皆様ご自身が過去の自分から現在の自分に向かって呼び掛けることは何か、何に気づきどうしたいか話し合ってみました。


認知症になっても、心は昔と変わらないこと。言葉では表現できない感情を呼び戻すことができます。楽しかった思い出、当時の自分など想起することができます。音楽を聴いて、踊り出す方もいます。
さて、皆様ご自身はどうでしょうか?

❰参加者のご意見❱
▪「音楽から思い起こす映像を写真で表現したい。」
自分史を作っているが、映像と詩をセットにして記録している。
認知症に限らなくても、自分を見つめ直すきっかけを作りたい。

▪「音楽は何かを思い出すきっかけになるから素晴らしい。」
感情を揺さぶるものなので、生き生きとした思いが甦ります。
誰かと共有し、繋がりを確かめ合うのもよいと思う。

▪「認知症の家族がいるので是非試してみたい。」
本人が好きと思っていた曲を聞かせてもあまり良い反応はない。もしかしたら、本人の中に物語として記憶に残っている曲ではないかもしれない。リサーチしてみようと思う。


▪「音楽のほかにも、居心地の良い環境や人に囲まれていることは重要。」
孤独ではないこと、仲間がいること。頼れる人が近くにいることも大切。

▪「音楽を聴いて、踊り出すという感覚が日本人には馴染みがないと思った。」
もし、自分ならば誰かに話を聴いてもらいたい。文字や言葉で表現したい。

▪「音楽療法を実際に取り入れている施設を知りたい。」
▪「体が覚えている記憶がある。」
先日、随分久しぶりに盆踊りを踊った。すっかり忘れていたはずなのに、まさか踊れるとは思わなかった。記憶は頭で考えていることだけではなく、体が覚えていることもあると気づいた。

❰過去から見つめる自分❱
音楽によって呼び起こされた記憶は様々です。善い思い出もあれば、辛い思い出もあるでしょう。思い出から今を見つめると、実に多くの方に支えられていることに気づきます。身近にいる人は、家族、友人、仲間、ご近所の方かも知れません。施設や医療関係者かもしれません。どんな場合でも、誰かしらいるはずです。支えられて生きています。
支えてくれている人に感謝し、自分も人を支えることができているか考えましょう。どんな形でもよいから、誰かに喜んでもらえることをしましょう。
それが何かはわかりません。自分できることを、できる範囲することが繋がりを生むことになります。一歩踏み出す勇気をそれぞれが思うこと。
明日からできることは何でしょうか。
是非、皆様も考えてください。

❰明日からできること❱
▪新しい刺激を大切にすること…「人」「場所」「もの」
▪振り替える時間…大切なことは見落としていないか自分自身を振り替える時間をもつ
▪挑戦する勇気をもつ…未知のことを恐れず、日々学ぶ覚悟で

❰感想❱
毎回開催して思うことは、新しい刺激を参加者からいただけることです。
それも同じことは何もないのです。年齢は関係ありません。
今回の参加者も90代が数名いました。「楽しいこと」「新しい刺激」を貪欲にといれる前向きな気持ちがあることに感銘を受けています。
いずれ自分も介護される時がくるでしょう。介護はされるだけなのかというと、そうではないのです。自分も人に与えられることはなにかしらあるのです。
体は不自由かもしれませんが、感謝の気持ちを持ち、温かい心でいることも介護者の癒しになるのです。喜びとは、人を思いやる気持ち、愛情であると感じています。愛されるよりは愛することをしていきたいです。