自立支援とは何か? | ほっこり 知恵袋

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「自立支援は誰のためか?」~介護保険は「卒業」できるのか?~
緊急意見交換会に出席した。主催は「自立支援は誰のため?」実行委員会。シンポジストは5名(内1名は要支援当事者の代弁)
三原岳さん(東京財団研究員)、浅川澄一さん(ジャーナリスト)、鐵宏之さん(大樹ケアプランセンター新座、ケアマネージャー)、要支援当事者(代弁)、中野智紀さん(東埼玉総合病院、医師)

意見交換会では熱い議論がなされた。
「自立支援は誰のものか?」
本人のものであり、本人の生活が継続できるように、必要な依存先をケアマネジメントすることが求められる。
「介護保険は卒業できるのか?」
「卒業」とはどの時点を指しているのか?
介護の最後は看取りではないか?
介護保険制度で全ての財政を賄うことはできない。
要介護度を無理やり下げるための制度やプランになっていないか?



「治る」介護でよいのか?
介護報酬が成功加算、失敗減算でよいのか?
「これまでの医療(1970年代モデル)」から「これからの医療(2025年モデル)」への変換は必要。「治す医療」から「生活支援型医療」へ。

高齢者の三原則(デンマーク発1982年国際ルール)
1.自己決定権の尊重
2.残存能力の活用
3.生活の持続性=社会参加

この内、2の残存能力の活用(介護保険法第1条)が一人歩きしていることが問題となっている。つまり、「治る」介護の強要になっていないかという点である。これが介護報酬の加算に繋がるため、益々頑張る自治体が出てくる。1.と3.をもっと推奨するべきだ。
自己決定権の尊重のためにできることは何か、生活の継続性を維持するためにできることは何か、もっと話し合うべきだ。
答えは一通りではない。多岐にわたるものであっても、個人を尊重し、それをアシストすることができるならばよいのではないか?




自立は、経験と実践の積み重ねにより結果として起きるもの。
一時的な回復のみで起こることではない。

誰しもいずれは介護が必要な時期が来る。自分が要支援者になったとき、自立を強要されたらどうするか?制度に無理やり押し込まれたプランなど、個人を尊重しているとは思えない。自分らしく生活するために、依存しなけばできないことを上手にアシストしてほしいと思う。
生活の持続性の先には、社会参加があり、どんな形でも自分なりの社会参加はできると思う。依存と自立は相反するように見えるが、『give  and take 』で助け合いにはどちらも必要ではないか。
要支援当事者の言葉が素晴らしい。


「自立」とは、「自分で選択して生きる。」ことに他ならない。
自己決定権は本人にあること。それは生きる可能性を広げている。
自分にとって、生きる可能性を広げるものとは?
今一度考えてみたい。