がん検診の受診率を上げるには? | ほっこり 知恵袋

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NPO法人 健康と病いの語りディペックス・ジャパン主催の「このままでいいのか?大腸がん検診」公開講座を2014、3/16に受けてきました。この講座は、検診を単に医学的な見地から見るものではなく、社会学的見地から示唆していることが大変興味深かったです。がん検診は必要だとわかっていても受診率が上がらないのは何故なのか?そこには受診したくない理由があるのです。非受診に焦点を当てた考え方がとても興味深いです。個人的に感想とまとめを書きました。
ベルがん検診を受けたくない理由
検診のリスク、不確かさ
偽陽性】本当はがんではないが、陽性となる場合
偽陰性】本当はがんなのに、陰性となる場合
精密検査に伴うリスク】費用、時間など。
過剰診断のリスク】過剰検査により、必要以上に粘膜を傷つけないか?
検診の意味とは?
がんの確定診断をする訳ではなく、がんかもしれない人と、そうでない人に振り分ける方法(スクリーニング)である。
ここで問題となるのは、精密検査の必要がある場合の受診率を上げることになるでしょう。
【対策】
ひらめき電球個人の意識の問題として改善するには?
情報の開示
精密検査後、がんと確定した場合、進行度別の具体的な治療法治療期間費用など。
相談窓口
行政機関や民間団体、家族会など。
ひらめき電球社会的構造の問題として改善するには?
経済的理由右矢印企業への理解
社員の健康と企業の業績との関係、経済的効果。産業医から社員へ健康の啓蒙活動。
社会的立場、職場での環境右矢印自営業の場合など、環境の整備。保険などの加入、保証。
子育て支援など右矢印保健師による見守りなど


大腸がん精密検査受診向上(山形県庄内地区での取り組み)
以下は2014、3/16 慶應義塾大学 准教授 秋山美紀 さんの資料より抜粋させて頂きました。
行動変容のステージに合わせた働きかけ⒈意識の向上
無関心期(がん検診に関する知識不足、無関心な状態)
⒉障害の除去
関心期(知識を得ることで、自分ごととして捉え始めた状態)
⒊きっかけの提供(受診勧奨)
準備期(検診先を探したり、具体的な準備を始めた状態)
行動期(受診1回目)
維持期(定期的な受診)

ひらめき電球庄内地区での具体的な取り組み
職場のがん検診がない方へ
無料検診の実施
口紅女性の為に右矢印女性医師、スタッフのがん検診 
携帯忙しい男性の為に右矢印1時間で終わるがん検診
ひらめき電球山形県遊佐町では
検査キットの送付右矢印特定健診受診者申込み者へ(前年度H21年に比べH22年度は15.6%の受診率UPアップ)
ひらめき電球ハイリスク群への効果的なアプローチ
地区担当保健師によるコール&リコール大作戦(鶴岡市H25年度実施により、前年度比10%の受診率UPアップ)
電話電話での応対での注意点
①必ず本人話す
②優先順位の高い人には、検診直後に心配し寄り添う姿勢で、精密検査受診の重要性を伝える。
③夜間の電話は20時まで
以上


メモまとめ
検診では、動機付けが最も重要です。
行動に移すまで、何が障壁になっているのか詳細に調査する必要があります。
庄内地区での取り組みは素晴らしいです。女性の受診率は上がったと思います。他にも、乳がん、子宮がんも同じだと思います。こうした受診し易さを自治体で工夫するだけで、随分効果は違ってくるはずです。検診を社会学的に分析する方法は、今後益々重要になってくるでしょう。行動心理学という側面も面白い視点かもしれません。ニコニコ
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