肥満は交感神経を活性化し、糖尿病、高脂血症、高血圧などの合併症を起こします。このため、以前から循環器疾患の危険因子とされてきました。
ところが、近年欧米の心不全や慢性閉塞性肺疾患などの患者を対象とした研究で、BMI(体格指数)が高い方が予後が良いという報告があり、「肥満パラドックス」として議論が起きています。
日本でも2012年1月、東京慈恵会医科大学 循環器内科 講師の小武海 公明氏により、「肥満パラドックス」が日本人の心不全患者でも認められると、日本循環器学会誌に発表されました。
発表によると、BMI(体格指数)を4つのグループにわけ、心不全による死亡率を比較した結果、BMIが高いグループの生存率が高いことが示されました。
1200日以上(3年以上生存率)
BMI:30.7±0.5 「肥満型」では約60%以上
BMI:25±0.1 「やや肥満型」では約60%
BMI:22.7±0.1「標準体型」では40%
BMI:19.0±0.2「やせ型」では20%以下
つまり、BMI:25以上での生存率が60%以上あるということになります。
標準体型がBMI:22.7とすると、BMI:25は「やや太め」「ぽっちゃり型」です。
「メタボだ!」「ダイエットだ!」と40歳を超えると耳の痛い話が多い中、この話題は大いに嬉しいです。
しかし、これに甘んじて太りすぎには要注意
他の合併症も考えられるので、BMI:25ぐらいの範囲で体型を維持しましょう