こんばん優☆ & こんばんポノック♪
007の新作公開に伴い関連書籍も何冊か発売される様ですが、
007の場合、どれもこれも似たり寄ったりの内容になりがち。
そんな中、ちょっと変わった一冊を発見(去年3月に出たものを文庫化)。
香川県の島で実際に起こった出来事を基に書かれた小説『ジェームズ・ボンドは来ない』。
タイトルに惹かれて買ってみたら、これがメチャクチャ面白くて、一気に読んでしまいました。
レイモンド・ベンソンの小説版007に『赤い刺青の男』という作品がありまして。
ストーリーの一部が香川県の直島を舞台にしていたことから、これが映画になれば
撮影地として誘致できるのでは?と思い込んでしまったことから起こるひと騒動。
事実は小説より奇なりを地で行くかの如き展開にグイグイ引き込まれてしまいます。
もちろん読み物として多少アレンジもしてあるのでしょうが、それでも軽妙なセリフの
やり取りや無駄のない文体には、ページをめくる手が止まらなくなってしまいました。
それにしても、最初から分かりきっていたこととはいえ悲しいクライマックスには
読んでて胸が痛くなります(でもその後はハッピーな結末も待っていてひと安心)。
『赤い刺青の男』は自分も日本版が出版されてすぐ読みましたし、誘致運動のことも知っていました。
ただ、今までフレミング以外の小説が映画化されたことはないし(それには意外な事実が
あった!)、他の007マニアと同様に『映画化は無理だろうなぁ…』とも思っていました。
しかし、映画館はおろか当時はコンビニも病院もない島のこと。
レイモンド・ベンソンを007シリーズの“原作者”と勘違いし、次回作に
『赤い刺青の男』が選ばれるのではと思い込んでしまうのも仕方ない。
またベンソンも自作が映画化されることはないと知りながら、島の呼び掛けにホイホイ応じちゃって…
せめて一人でも島民の中に007に詳しい人がいれば、こんなことにはならなかっただろうに。
この本のポイントは、そんな事の顛末を女の子の目から見た青春小説として描いているところ。
主人公が友達からAKBの一期生オーディションのために東京へ行こうと
誘われるなんてエピソードもあって、007とAKBの邂逅に思わず感動。
場面展開がまるで映画でも見ている様なので、是非とも映画化か
ドラマ化して欲しい(権利のクリアが大変かもしれないけど…)。
実現の暁は、主人公の遥香はその名の通りぱるるに演じてもらいたい(イメージぴったり!)。
007ファンとしてはハッとさせられる描写などもありオススメの一冊。もちろん007に興味のない人にも。
あ~直島行きたいな~。
では、今日はこの辺でおやすミサティ★