こんばん優☆ ＆ こんばんポノック♪
まずは個人的な話から。
自分がスミスを聞き始めた当時（91年頃）、彼らのアルバムは国内盤・イギリス盤ともに廃盤だった。
仕方なく唯一入手可能だったアメリカ盤でせっせと集めました。
それでも、アメリカ未発売の二枚（『HATFUL OF HOLLOW』と『THE WORLD WON'T LISTEN』）
に関しては入手の手立てがなく、中古盤屋に行く度に目を皿の様にして探しまくったものです。
後に『HATFUL～』は中古で発見、『THE WORLD～』は突然再発
されたフランス盤で入手（ただし、何故か二曲少なかった）。
これでとりあえずスミスのアルバムは一通り揃いました。
それからしばらくしてスミスのバックカタログがWEAに移籍することになり、二枚
のベスト盤を皮切りに、各国で一斉にアルバム（とシングル数枚）が再発された。
もちろん日本でもアルバムは再発されて、ど～するかな～と思いましたが、
歌詞対訳が読みたかったのと、購入者特典に釣られて全部買い直しました。
それに伴い、所有していたアメリカ盤は全て処分。
それ以来、スミスのアルバムはずーっと日本盤を愛聴して来ました。
何年か前に紙ジャケ化された時もグッと我慢。
しかし…まさか再びスミスのアルバムを買い直さなければならない時が来るとは。
“スミスの全アルバムを紙ジャケ化したボックス発売。ジョニー・マー監修の下、完全リマスター！”
あ～…これは…これは…欲しい…欲しいけど、アルバム全部持ってるしぃ。
紙ジャケ化は別にどうでもよかった。
問題はジョニー・マー監修の下にリマスターを行ったという点。
こんなことされちゃ、音がどう変わるか聞いてみたくなるじゃないですか。
ま、ウチのポンコツラジカセでどれだけ音に差が出るのかという心配もありましたが。
３日ぐらい考えて、結局Amazonで注文しました。
バカ高い国内盤はパスして、その半額以下のイギリス盤で。
最初は失敗したかなーと思いました。既に持っているCDを
買い直すようなことは止めようと、常々思っていたので。
ところが、届いた実物を見てビックリ。
前に買ったドアーズのボックスみたいに、粗末な紙ジャケにCD
がむき出しで入っているとばかり思っていたら、全然違った。
ジャケットはインナースリーブまで精巧に再現され、アナログで
見開きジャケだったアルバムは、そのまま見開きで紙ジャケ化。
しかもジャケットに貼ってあったステッカーまでご丁寧に再現して貼って
ある。『RANK』に至ってはオマケのポスターまでミニチュア化して封入。
なんだー、やれば出来るじゃないかRHINO。
出来ればアルバム未収の曲を収録したボーナスディスクを付けて欲しかったけど、贅沢は言うまい。
さて問題は音。
どれどれと思い聞いてみると、イイんだわこれが。
既発のCDの音が悪いと思ったことはないけど、確かにそれよりよくなってる。
モコモコしてた音がクリアーになり、各楽器の音がハッキリと、深みを持って聞こえる。
曲によっては、例えば『この曲のベースラインってこんなだったんだ！』と新たな発見も。
あのポンコツでさえここまで違いが分かるんだから、きちんと
したオーディオ環境の下で聞いたらもっと凄いんだろうなぁ。
そして、未だにスミスの曲が光りを失っていないことにも驚かされた。
もう25年以上も前の音楽なのに、全く色褪せていない。
彼らの音楽には、下手したら誰かの人生を変えてしまう程の力がある。
自分だってもしスミスに出逢っていなかったら、仕事投げ
出してイギリスに国外逃亡していなかったかもしれない。
恐らく今ならかまってちゃんのリスナー辺りにも充分アピールするのでは？
何せ『STILL ILL』（まだ病んでる）なんて曲もあるくらいだし。
昔はよくベッドに潜って、ヘッドフォンして聞いたりしたなぁ。
あれからずいぶん経って、ほんの少しは生きることに器用になったと思う。
それでもまだ、前に進めず同じ場所をぐるぐる回っていることに変わりはない。
自分も“STILL ILL”ってことか…。