エジプトやローマの石造物は硬い岩を削ったものではなくて、柔らかい古代コンクリートを固めて作った。
日本の古墳などの巨石も古代コンクリートで小さな岩を接着したり、古代コンクリートを固めたりして作ったと考えた方が辻褄があう。
長崎県の沖ノ神島神社の磐座なんか、まさに古代コンクリートを固めて作ったと考えた方が納得出来る(参考)。
参考
② 古代コンクリートを作ろう(参考)
古代にローマなどで造られたコンクリート建造物は、未だに劣化せずに残っています。これは何故なのでしょうか。
こうした古代のコンクリートで造られた構造物としては、その代表的なものとして、ローマのカラカラ浴場などがあり、このほかにもローマ水道やローマ橋の多くは、コンクリートの構造を石で覆っており、同様の技法はコンクリート製ドームのあるパンテオンでも使われています。
このパンテオンは「ローマン・コンクリート」というコンクリートを用いており、これを使った建築物としてはおそらく最も有名なものであり、内径43m、天窓の直径9mという巨大建築物です。BC25年に創建されたといいますから、その歴史は優に2000年を超えています。
ローマン・コンクリート (Opus caementicium) とは、生石灰のほかに、軽石などの骨材を加えて水で練ったものであり、このほか「ポッツオーリの土」と呼ばれるポゾランという火山灰が加えられたことなどがわかっています。
ローマ建築に広く使われたこの古代のコンクリートは、建築史上の画期的革命をなしたともいわれており、無論、古代ローマ人にとっては革命的な材料であり、この発明によってはじめて石やレンガに制限されない自由で斬新な設計の建築が可能となりました。
アーチやヴォールト(かまぼこ状の天井様式)やドームの形状にすると素早く固まって剛体になり、石やレンガで同様な構造を作ったときに問題となる内部の圧縮や引っ張りを気にする必要がありません。
最近の評価によると、ローマン・コンクリートは現代のポルトランドセメントを使ったコンクリートと比較しても、圧縮に対する強さは引けを取らない(約200 kg/cm2)といわれています。
ただ、鉄筋が入っていないため、引っ張りに対する強さははるかに低く、また、現在のコンクリートは固まる前に流動的で均質であるため型に流し込むことができますが、ローマン・コンクリートでは骨材として瓦礫を使うことが多く、手で積み重ねるようにして形成する必要がありました。
ローマのパンテオン
これを現在使うためには相当いろいろな工夫が必要と考えられますが、これらの弱点を現在の技術でうまくカバーできれば、より長期に渡って使えるコンクリートができそうです。
こうした古代コンクリートは、地殻中の堆積岩の生成機構と同じ「ジオポリマー」という反応によって結合して「ケイ酸ポリマー」という物質を形成するため、強度が数千年間保たれているといわれており、これは「無機質プラスチック」と同じようなものだといいます。
ウクライナの科学者のビクトール・グルホフスキーという人が、これを発見したとされており、彼は古代のセメント製造法を調べ、この「ジオポリマー」反応を起こすためには、アルカリ活性剤を加えることを発見しました。
この研究に影響を受けたフランス人の化学エンジニアでジョセフ・ダヴィドヴィッツという人はその後、古代セメントの結合構造であるジオポリマーの化学的構造を解明しました。
ダヴィドヴィッツ博士はさらに、エジプトのピラミッドの外殻に使われている石灰岩は自然石を切り出したものではなく、これもまたジオポリマー石灰石コンクリートの一種である人造石で造られたとする説を発表しています。