イスラム教国の女性は、外出時、顔を覆うベールみたいなものをしていることは、当然、知っている。これは、家族の男性以外には顔を見せてはならないと言うイスラム教の教えの為であった。しかし、日本にも屋外で覆面をする習慣の地域があることは、私を含め知らなかったと思う。
実は秋田県周辺の地域であった。農作業の時の日よけとか虫除けの為に着用するらしい。しかし、ある人は「殿様よけ」と呼び、江戸時代まで殿様の御指名を避ける為に着用したとの真偽不明の説明を聞いたことがある。
それでも、この覆面を見たら、なおさら秋田美人が本当に多いのであろうことを納得させられる。
参考
① 秋田・山形の妖しげな黒覆面美女集団?
きままな山と旅の徒然話(2011/2/1、参考)
”妖しげな覆面美女集団”と書き記しましたが、おっ!美女集団と早とちりし勘違いしないで頂きたい。
子供の頃、秋田、山形の県境に近い日本海岸の象潟を訪れたとき、野良仕事に勤しむご婦人方の黒覆面装束を初めて目にし、異様な驚きで見つめていたものである。
子供心に「あっ!九ノ一忍者!」と(それはないか)
ときは過ぎ、数年前再度訪問した際、平成の御代にあって、いまだこの装束がすたれず伝統が残っていることが嬉しかったね~。(少なくなっていたが)
土地の古老からお聞きしたところ、昔々その昔、美しい女性を見ると次から次へとお城に連れ込んだ女癖の悪いお殿様対策として、女性は顔を隠す習慣になったと面白可笑しく語ってくれたが、それは講談話と同じで後世の戯言でありましょうが・・・・・。
色白の東北美人の潮風や日焼け、雪目対策等々、肌を守る習慣から来たものであろう。
そう捉えるのが自然だ。
先日『日本民俗文化体系』なる本をパラパラベージをめくっていると「東北地方の覆面」と題して、この黒覆面の記事を拝見。あまり他の本では見かけないので抜粋してご紹介。
地図でお分かりのように秋田から新潟にかけての日本海岸に限られている。面白いことに土地々で名称が様々の呼び名があるようだ。
出典 日本民俗文化体系 14「技術と民俗」(下) 小学館
「・・・覆面の由来は定説はないが、北前船が江戸で流行したトモコモ頭巾がそれぞれの港に伝わり一般に普及・・・・・ また、この地方の女性が肌の白さを保つため日焼け防止として、覆面が生活のなかに融合と推察・・・・・ また、秋田角館の侍が被ったドウモッコと呼ばれた絹の頭巾が江戸のキママ頭巾の名残と見られることから参勤交代の武士の手で伝えられたものと考えられる・・・」と。本は述べている。
覆面の型は様々で、種類にして十数種類、名称も二十種以上とか。そのほか江戸時代、この地方には雪から目を守る黒いメッシュ状の「目すだれ」もある。
おもな名称と地域
【フロシキ】青森六ヶ所村
【ナガテヌゲ】秋田市仁井田
【タナカブリ】【ズキン】秋田由利郡大内村
【ヒロタナ】秋田県本荘
【ハナガオ】秋田由利郡子吉川
【サントク】秋田鳥海村
【ハンコタンナ】山形遊佐町吹浦
【カガボシ】山形鮑海郡一体から温海町
【ツノボシ(サンカクボシ)】新潟岩船郡山町
【ドモコモ(オカブリ)】新潟村上市
【ナガテヌゲ】秋田市仁井田
【タナカブリ】【ズキン】秋田由利郡大内村
【ヒロタナ】秋田県本荘
【ハナガオ】秋田由利郡子吉川
【サントク】秋田鳥海村
【ハンコタンナ】山形遊佐町吹浦
【カガボシ】山形鮑海郡一体から温海町
【ツノボシ(サンカクボシ)】新潟岩船郡山町
【ドモコモ(オカブリ)】新潟村上市
本では1977年の農繁期に羽越沿線を調査し、1,800名の女性(農業従事者)の80%が覆面をしていたと記されている。
本は結びに、黒覆面の将来と題し、「覆面は過去の野良着に似合っても、飛躍的発展をとげた今日の農村の服装(トレーパンなど)野良着には黒覆面は調和しない・・・・・日焼け防止に効果ある野良帽子の出現で黒覆面はしだいに消滅する運命をたどっている」と述べている。
確かに黒覆面、黒頭巾は絣のモンペによく似合う。この地方を旅しましたら、よく観察下さい。見ることが出来ますよ。
蛇足
秋田雄勝郡 羽後町「西馬音内踊り」(毎年8月16~18日)
阿波踊り・郡上踊りと合わせて日本三大盆踊りのひとつ
② 秋田美人の謎!本当に美人が多いのか?なぜ美人が多いのか?
日本三大美人といえば、京美人・博多美人・秋田美人。実際に秋田出身の芸能人は美人が多いですね。
加藤夏希さん、壇蜜さんなどなど。佐々木希さんは「世界のもっとも美しい顔ランキング」5年連続入賞しています。なぜ、秋田は美人が多いのでしょうか?てか、本当に美人が多いのでしょうか?その秘密を探ってみました。
秋田美人の俗説いろいろ
1.佐竹藩主 佐竹義宣が美人を連れてきた説
秋田は美人が、水戸はブスが多いといいます。茨城県に秋田県民がいくと、だいたい出てくる、この話。関ヶ原の戦いに敗れ、水戸から秋田に転封となった佐竹義宣が腹いせに美人を全員連れて行っちゃった。
だから水戸にはブスばかりが残り、秋田は美人が多いのだというもの。
2.ロシアやヨーロッパなど外人のDNA説
日本海沿岸~シベリア沿岸~朝鮮半島という渡航ルートがあり、秋田には外人の混血が昔から多かったというもの。
秋田県民の10%は、白人しか持ってないウイルスを遺伝的に持っているそうです。また、日本人に最も多い血液型はA型ですが、秋田県は北方大陸系に多い血液型のB型とO型が多い。(確かに、BとOが多いですが、それほど外人顔は多くないと思います。)
3.秋田美人は川反芸者から始まった説
日本全国で「秋田美人」のイメージが定着したのは明治~昭和にかけて。小阪・阿仁・尾去沢など、秋田はかつて鉱山産業が盛んでした。
その頃に、日本各地から秋田に訪れた文人たちが、現在も秋田の繁華街となっている川反の芸者達が色白美人揃いだったと吹聴したらしいですよ。(秋田にも華やかな時代があったんですねぇ~)
環境的要因
1.日照時間が短い。
秋田県は全国一日照時間が短い県です。つまり、晴れの日が少ない。(だから皆うつになって自殺率高いんじゃないかと密かに思っています。)
さて、日照時間が一番多い山梨県が年平均2249時間。比べて秋田県は、1453時間。そのため、色白の人が多いということらしい。これには、納得。実感あり。
色白は美人要素の一つですしね。また、紫外線が必然的に少なくなるため、肌の老化が少ないのかも。
2.寒い気候。
秋田県は雪国です。冬はとても寒い。その為、室内は暖房ガンガン焚いて暑くします。外は寒い。中は暑い。この温度差の中を行き来することで、血行が良くなるらしい。
3.湿度が高い。
日照時間が短い。=雨や曇り、雪が多い。=湿度が高い。特に冬の間も湿度が高いため、肌や髪が乾燥しにくいそうです。特に髪に関しては、実感あります。仙台住んでいた時は、パッサパサになりましたから。
4.温泉が多い。
秋田県はとにかく温泉が多いです。大きく分類しても、30ヶ所以上。小さいとこもあわせると、いくつあるのやら・・・。
全国的に有名な乳頭温泉や玉川温泉などなど。しかも、県北から県南、沿岸から内陸とほぼ全域に分布しています。
5.麹を食べる。
「秋田は米泥棒」と他県から言われるほど米の収穫量が多い地域です。米を使った食文化が発達し、麹を使った漬物に、味噌を多く食べます。(塩分過多になりますが)
さらに、ショッツル(魚醤)など独自の発酵食品にギバサ(アカモク)、じゅん菜、山の芋、といったネバネバ・ヌルヌルした食材を多く食べます。こういった食品は美肌効果がありますからね。
秋田出身の有名人では、実際に秋田美人と呼ばれる、秋田出身の有名人はどんな人がいるのでしょうか。
・小野小町(日本三大美人の一人。他は、衣通姫・藤原道綱母)
・佐々木希(モデル)
・加藤夏希(タレント)
・鳥居みゆき(芸人・埼玉育ち)
・藤あや子(演歌歌手)
・桜田淳子(歌手)
・壇蜜(東京育ち)
・浅利香津代(女優)
・生駒里菜(乃木坂46)
・内舘牧子(作家)
思いついだけで、これだけいました。
秋田出身=秋田美人とは言えないようですね。
実際に秋田県民としても、いうほど美人ばっかりではないと感じています。むしろ、そう言われるのはプレッシャーです。あんまり言わないであげてください。
とはいえ、県のイメージ戦略には大いに利用していいと思います。秋田美人のポスターは、まさに秋田美人という美しいものでした。