旧志免鉱業所竪坑櫓、福岡県志免町 | 日本の歴史と日本人のルーツ

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福岡市の郊外の住宅地にかつては炭鉱があったことの証拠です。

道路を挟んで直ぐ隣には、かつて石炭を積み出す鉄道駅もあった。

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竪坑櫓の西側に志免鉄道記念公園

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竪坑櫓の大きく西側に福岡空港と福岡市街

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志免鉄道記念公園、南側

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志免鉄道記念公園、北側

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志免鉄道記念公園と竪坑櫓


参考

巨大構造物に息のむ 志免鉱業所竪坑櫓の内部視察に同行 [福岡県]

西日本新聞(2017.6.21、参考)

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(2)
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(3)
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(4)
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(5)
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(6)
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空にそびえるコンクリートの廃虚。高さ47・6メートル、8階建ての旧志免鉱業所竪坑櫓(たてこうやぐら)=写真(1)=は、志免町の中心部に残された産業遺構だ。石炭の町として栄えた往時、炭鉱の中核を担い、国の重要文化財に指定された現在は、町が保存事業に着手している。今回、保存のために世利良末町長らが櫓の内部を視察すると聞き、許可を得て同行した。

立ち入り禁止区域となっている櫓の1階で頭上を見上げた瞬間、思わず息をのんだ。高さ約25メートルの6階部分までは空洞で、吸い込まれそうな錯覚に陥る=写真(2)。「コンクリートが剥がれています。足元に気をつけて」と世利町長。町職員として15年前に訪れたときより、風化が進んでいるという。鉄筋むき出しの柱が目立つ。無数のコンクリート片が崩落した地面の傍らに、列車のレールらしきものが顔を出している=写真(3)。「地下から掘り出した石炭をトロッコで運んだ名残です」と町職員が説明した。

櫓は1943年に完成。巻き上げ機でワイヤにつるしたケージ(かご)を上げ下げし、櫓の真下に掘られた深さ430メートルの竪坑から石炭と作業員を引き上げた。1~5階は柱だけ、6階以上には床と壁があり、8階部分には巻き上げ機の巨大モーターがあったという。

コンクリートの階段を上り6階に到着する。床が所々大きく抜けており、恐ろしくて近づけない。「ここにはケージを引き上げる位置を調整するための滑車があった。閉山で取り外したときに穴になったんです」との説明。7階に上がると床に穴はなく、少しだけほっとする。窓からは町の住宅街が一望できる。さび付いた窓枠に収まる風景は、過去から現在を望む1枚の絵のようだ=写真(4)。

いよいよ最上階の8階=写真(5)=だ。天井まで約10メートルの吹き抜けの空間が広がる。1千馬力の巻き上げ機のモーターと操作室があった場所だ。階段近くに、エレベーターの出入り口が残っている。じゃばら扉の上部の壁には、時計のように「B 1 8」の文字と針の表示板=写真(6)。現在は埋め戻された地下1階(B)があったことを示しているという。

これで終点かと思ったら屋上が待っていた。外壁に取り付けられた幅1メートルもない狭い階段を上る。途中、いくつもの窓が大きな口を開けており、その先は何もない。足を踏み外せば、眼下へ真っ逆さまだ。生きた心地がしないまま、最後の1段を踏みしめ、たどり着いた高さ47・6メートル。一気に360度の大パノラマが開けた。すぐ近くには、石炭の捨て石を積んだぼた山、遠くには博多湾も見渡せる。「あれは避雷針です」と町の職員が指さす先には、抜けるような青空が広がっていた。=2017/06/21付 西日本新聞朝刊=