未完成の鉄道を活用してトンネルを椎茸栽培に活用している。サイクリング道路にも活用し、観光にも力を入れている。
素晴らしい。
参考
幻の「五新鉄道」トンネルでシイタケ大規模栽培、今春販売へ 地域活性化の核に
奈良県五條市から和歌山県新宮市をつなぐ鉄道として戦前に着工されながら、未完成で終わった幻の「五新鉄道(五新線)」のトンネルで、地元NPOがシイタケの大規模栽培に乗り出し今春、「五新線しいたけ」として売り出す。未成線のトンネルを活用した大規模栽培は珍しく、NPOでは地域活性化や雇用創出にもつなげたい考えだ。
五新線は、旧国鉄による山間部の木材輸送を目的に計画されたが、林業の衰退などで採算が見込めなくなり断念。だが、使われなかったトンネルや橋梁(きょうりょう)などは土木学会選奨土木遺産に認定され、周辺は河瀬直美監督の映画「萌(もえ)の朱雀」(平成9年公開)のロケ地にもなった。
シイタケ栽培に乗り出したのは、奈良県五條市のNPO法人「五新線再生推進会議」。11カ所計9キロ残るトンネルのうち、同市西吉野町の「西野トンネル」(昭和55年完成、長さ572メートル)を管理者の市から初めて有償使用許可を得て内部を舗装。法人メンバーの農事組合法人「吉野園」が、1万2500床の菌床栽培棚で昨年末から試験栽培している。
同園が別の試験農場で栽培しているシイタケは傘の直径約5センチ、厚み約3センチと肉厚なのが特徴。トンネル内は年間を通じて栽培に適した気温14度前後に保たれるといい、冷暖房費を節約できるメリットもある。今後、栽培棚を増設して15人程度を新たに雇用、年17万5千菌床(約420トン)という大規模生産体制で展開する。
紀伊山地の入り口に位置する同市は過疎・高齢化が深刻。五新線跡地周辺では今月、鉄道計画が頓挫した全国の関係者が集う「全国未成線サミット」が開かれるなど、未成線を活用した地域活性化に取り組んでおり、市も「眠れる遺産を活用したい」と期待する。
同NPO理事長の新名惇彦(しんみょうあつひこ)・奈良先端科学技術大学院大学特任教授(74)は「五條は人口が減る一方だが、自然や歴史が豊か。五新線跡を核に人を集めたい」と話している。