多くの歴史遺産が取り壊されるなど消滅の危機にある中、江田島に残る旧海軍の洋館「海友舎」がボランティアの手で保存されている。 ネットの呼びかけて維持管理してくれるボランティアが集まったとのことである。
著者の祖父の甥が海軍兵学校の副校長をしていたとのことで、この建物にも縁を感じる。
参考
江田島に残る、旧海軍の洋館「海友舎」...SNSが歴史建築救った
[Jステーション-広島ホームテレビ]2017年1月17日放送の広島HOMEテレビ「Jステーション」の「まちの宝」のコーナーで、江田島に残る洋館が紹介されました。
明治期の洋館 江田島の歴史とともに
江田島市江田島町にある洋館、海友舎。白く大きな玄関にしゃれたベランダの2階建ての建物は明治に建てられたもの。そこにつながる平屋の建物は、あとから増築されたものだそうです。竣工は1907(明治40)年で、かつて海軍の学校に隣接し働く兵士が利用した数少ない建物です。イギリスの建築様式である上げ下げ窓や下見板張り。洋風の佇まいは日本が西洋化へ向かう時代を色濃く残しています。建てられた当初は旧江田島海軍下士卒集会所という名前で、娯楽や療養施設として使われていたそうです。
管理をしているぐるぐる海友舎プロジェクト代表の南川智子さんの案内で、中を見て回ります。当時使われていたかまどやベッド、教科書などの品々がたくさん残っていました。
解体の危機を救え!江田島の宝を後世へ
江田島というかつて軍の重責を担った町に残るこの洋館、実は4年前取り壊しの危機にありました。うわさを聞き、悲しい思いをした南川さんは洋館のオーナーをたずね意外な事を知ります。オーナーもこの洋館に愛着があったものの、高齢のため管理に悩んでいたのです。一緒に残す方法を考えたいと、南川さんは管理団体であるぐるぐる海友舎プロジェクトを設立。知り合いや友人に声をかけ、SNSで呼びかけ洋館の中の掃除や整理をする人材を求めました。
そこで多くの人が集まり、掃除や整理の過程でさらに多くの貴重な品々が見つかりました。一般公開をはじめると、さらに多くの人が訪れるようになりました。「歴史的な建物だからこそ、人を呼ぶ力があるのかもしれない」と南川さん。時代と時代、人と人をつなぐこの洋館は、さらに多くの人を惹きつけ、後世に残っていくのではないでしょうか。(ライター:石田こよみ)