「慰謝料あれこれ」シリーズの前記事
慰謝料の意味性~人格の尊厳に関わる願いと闘いと困難と
「子のために離婚原因をグレーにして調停合意するのがよい」とは言えない場合~慰謝料の意味性1(序)
離婚原因グレーと面会交流の一場面~子どもはどうなる?~慰謝料の意味性2
離婚原因グレーと面会交流の一場面~虚偽を子に吹き込む親に対し,子を思う他方の親はどうするか?
離婚原因グレーと面会交流の一場面~マスオを見て自分を見るより,まずはタラちゃんを見ましょう。
の続きです。
2.
2項は前回までのおさらにです。
分かっているという方は,2項はすっとばして,3項にお進み下さい。
まず,これまでの設定事例を要約します。
①マスオータイコの不貞。これは説明の便宜からこの記事では読者には,不貞は事実と明示されているとします。
②サザエーマスオの離婚問題。サザエはマスオにマスオの不貞を主張。マスオはサザエにサザエの方のイササカ先生との不貞を主張。
③タイコーノリスケの離婚問題。ノリスケはタイコにタイコの不貞を主張。タイコはノリスケにノリスケのDVとギャンブル依存を主張。
④マスオは,サザエとの夫婦関係悪化・別居という経緯の中で,タラちゃんに対し,「ママは男がいる,パパを悪者にしてその男とくっつきたいんだ。」と言いまくっていた。
⑤タイコは,ノリスケとの夫婦関係悪化・別居という経緯の中で,イクラちゃんに対し,「パパはママを殴ったりギャンブルに狂ったりしてたくせに,ママがパパとの離婚を考え出したら,先手を打ってママがタラちゃんのパパのマスオさんと怪しいなんてとんでもないことを言い出した。」と言いまくっていた。
さて,サザエどうする?・・・・という説例に対し,
そして,前回記事
離婚原因グレーと面会交流の一場面~マスオを見て自分を見るより,まずはタラちゃんを見ましょう。
では,
まず,タラちゃんをよくみましょう。
と答えました。
そして,人の人に対する働きかけを,便宜的に
A群
養育,善導,指導,教育,薫陶,援助,奉仕,贈る
B群
管理,統制(コントロール),支配,抑圧,利用,奪う,搾取
に分けて,A群への志向性,B群への志向性(?)ということを考えました。
その際に,目的,手段の双方を見ましょうということをお話しました。
シリーズが長くなると,前回までのおさらいが長くなります。(笑)。
3.
「タラちゃんをよく見る」ことをしたあとは,「よく考えて」,そして,タラちゃんに対し,「適切に説明する」ということが続きます。
「正しく見る」,「正しく考える」,「正しく語る」です。
最近,別記事で,原始仏教の話をしています。
私達には,「ありのままを見ることができない」という無明があり,その無明のせいで,自分勝手にサンスカーラを発動させて虚構した「私が見た世界」の中で私達は生きています。
諸行無常=「一切のサンスカーラはanityaである」だそうです。
諸行無常その1~原始仏教における「サンスカーラ」というキーワード
諸行無常その2~「無常」(アニティヤーハ)の二面性(生と滅),動的(ダイナミック)であること
①
タイコと不貞したマスオ,しかも,それを認めず,こともあろうに私とイササカさんが不貞関係にあるなどというでっちあげを行うマスオ!とんでもない悪い夫
↓
②
こういう悪い夫だから,タラちゃんにとっても,当然,悪いパパに違いない。
↓
③
それなのに,マスオは,タラちゃんに嘘を吹き込んで,タラちゃんを自分の味方に引き入れようとしている。
↓
④
タラちゃんは,まだ判断能力が不十分だから,マスオの謀略にひっかかって,ママを悪く思ってしまうかもしれない。そうなったら,それはタラちゃんのためにならない。
↓
⑤
タラちゃんのために,私は,マスオの謀略と戦わなければならない!
とまあ,仮定的に,サザエの心の動きを上記のように設定してみました。
さて,この①から⑤のどこに無明が潜んでいるでしょうか?
サンスカーラのマイナス発動が潜んでいるでしょうか。
4.
(1)
一応,この説例では,前項の①はOKとしましょう。ただ,あくまで単純化した説例上のOKであることをお忘れ無く。現実は多様で重層的です。
(2)
前項の②は,サンスカーラ・マイナス発動です。
「ありのままのタラちゃん」をよく見ないで,自分にとってこうあってほしいタラちゃんの姿(サンスカーラで勝手に虚構したタラちゃん)を,「ありのままのタラちゃん」に置き換えています。
(3)
前項の③は,「それなのに」はひっかかりますが,この説例ではOKとしましょう。(1)と同様,単純化したOKです。
(4)
前項の④も,サンスカーラ・マイナス発動です。
「ありのままのタラちゃん」は,子どもなりに状況を分かっていて,その中でいろいろなことで思い悩んでいることが多いのです。
単純にマスオに操作されるパブロフの犬ではありません。
そして,同様に,単純にサザエに操作されるパブロフの犬でもありません。
また,「タラちゃんのため」という言葉は,実は,「サザエのため」であるように思えます。
このサザエの物の見方は,「ありのままのタラちゃん」を見ることができず,タラちゃんを,「サザエの操作対象,コントロール対象」として扱いたい欲求があり,その欲求に都合のいい「サザエにとっての世界」=「タラちゃんは判断能力不十分,私がやることはタラちゃんのため」を作り上げているように思われます。
(5)
前項の④から導き出される誤った結論と言えましょう。
この流れですと,「サザエの闘い」は,タラちゃんをだしにしつつ,自分自身の世界を守るためにする闘いと言えましょう。
タラちゃんは置いてきぼりです。
5.
では,このようなサンスカーラのマイナス発動を抑えるにはどうしたらいいでしょうか?
抽象的には,「正しく見る」,「正しく考える」,「正しく語る」・・・・となります。
釈迦の教えですので・・・。
でも,これだけだと,何の手がかりもありませんので,次の記事で書いていこうかなと思います。
ただ,ここでご理解いただけたと思います。
自己中心的で,自己愛いっぱいで,ありのままを真摯に見ることのできない親は,子を傷つけます。
世に「モンスター・ペアレンツ」などという言葉もあります。
「モンスター・ペアレンツ」の夫婦は,まあ夫婦関係が良好であっても,子どもに対し,困った親となるでしょうが,ここに離婚問題が持ち上がると,子どもがどういう状態に置かれるか,想像すると怖いものがあります。
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②サザエーマスオの離婚問題。サザエはマスオにマスオの不貞を主張。マスオはサザエにサザエの方のイササカ先生との不貞を主張。
③タイコーノリスケの離婚問題。ノリスケはタイコにタイコの不貞を主張。タイコはノリスケにノリスケのDVとギャンブル依存を主張。
④マスオは,サザエとの夫婦関係悪化・別居という経緯の中で,タラちゃんに対し,「ママは男がいる,パパを悪者にしてその男とくっつきたいんだ。」と言いまくっていた。
⑤タイコは,ノリスケとの夫婦関係悪化・別居という経緯の中で,イクラちゃんに対し,「パパはママを殴ったりギャンブルに狂ったりしてたくせに,ママがパパとの離婚を考え出したら,先手を打ってママがタラちゃんのパパのマスオさんと怪しいなんてとんでもないことを言い出した。」と言いまくっていた。
さて,サザエどうする?・・・・という説例に対し,
そして,前回記事
離婚原因グレーと面会交流の一場面~マスオを見て自分を見るより,まずはタラちゃんを見ましょう。
では,
まず,タラちゃんをよくみましょう。
と答えました。
そして,人の人に対する働きかけを,便宜的に
A群
養育,善導,指導,教育,薫陶,援助,奉仕,贈る
B群
管理,統制(コントロール),支配,抑圧,利用,奪う,搾取
に分けて,A群への志向性,B群への志向性(?)ということを考えました。
その際に,目的,手段の双方を見ましょうということをお話しました。
シリーズが長くなると,前回までのおさらいが長くなります。(笑)。
3.
「タラちゃんをよく見る」ことをしたあとは,「よく考えて」,そして,タラちゃんに対し,「適切に説明する」ということが続きます。
「正しく見る」,「正しく考える」,「正しく語る」です。
最近,別記事で,原始仏教の話をしています。
私達には,「ありのままを見ることができない」という無明があり,その無明のせいで,自分勝手にサンスカーラを発動させて虚構した「私が見た世界」の中で私達は生きています。
諸行無常=「一切のサンスカーラはanityaである」だそうです。
諸行無常その1~原始仏教における「サンスカーラ」というキーワード
諸行無常その2~「無常」(アニティヤーハ)の二面性(生と滅),動的(ダイナミック)であること
①
タイコと不貞したマスオ,しかも,それを認めず,こともあろうに私とイササカさんが不貞関係にあるなどというでっちあげを行うマスオ!とんでもない悪い夫
↓
②
こういう悪い夫だから,タラちゃんにとっても,当然,悪いパパに違いない。
↓
③
それなのに,マスオは,タラちゃんに嘘を吹き込んで,タラちゃんを自分の味方に引き入れようとしている。
↓
④
タラちゃんは,まだ判断能力が不十分だから,マスオの謀略にひっかかって,ママを悪く思ってしまうかもしれない。そうなったら,それはタラちゃんのためにならない。
↓
⑤
タラちゃんのために,私は,マスオの謀略と戦わなければならない!
とまあ,仮定的に,サザエの心の動きを上記のように設定してみました。
さて,この①から⑤のどこに無明が潜んでいるでしょうか?
サンスカーラのマイナス発動が潜んでいるでしょうか。
4.
(1)
一応,この説例では,前項の①はOKとしましょう。ただ,あくまで単純化した説例上のOKであることをお忘れ無く。現実は多様で重層的です。
(2)
前項の②は,サンスカーラ・マイナス発動です。
「ありのままのタラちゃん」をよく見ないで,自分にとってこうあってほしいタラちゃんの姿(サンスカーラで勝手に虚構したタラちゃん)を,「ありのままのタラちゃん」に置き換えています。
(3)
前項の③は,「それなのに」はひっかかりますが,この説例ではOKとしましょう。(1)と同様,単純化したOKです。
(4)
前項の④も,サンスカーラ・マイナス発動です。
「ありのままのタラちゃん」は,子どもなりに状況を分かっていて,その中でいろいろなことで思い悩んでいることが多いのです。
単純にマスオに操作されるパブロフの犬ではありません。
そして,同様に,単純にサザエに操作されるパブロフの犬でもありません。
また,「タラちゃんのため」という言葉は,実は,「サザエのため」であるように思えます。
このサザエの物の見方は,「ありのままのタラちゃん」を見ることができず,タラちゃんを,「サザエの操作対象,コントロール対象」として扱いたい欲求があり,その欲求に都合のいい「サザエにとっての世界」=「タラちゃんは判断能力不十分,私がやることはタラちゃんのため」を作り上げているように思われます。
(5)
前項の④から導き出される誤った結論と言えましょう。
この流れですと,「サザエの闘い」は,タラちゃんをだしにしつつ,自分自身の世界を守るためにする闘いと言えましょう。
タラちゃんは置いてきぼりです。
5.
では,このようなサンスカーラのマイナス発動を抑えるにはどうしたらいいでしょうか?
抽象的には,「正しく見る」,「正しく考える」,「正しく語る」・・・・となります。
釈迦の教えですので・・・。
でも,これだけだと,何の手がかりもありませんので,次の記事で書いていこうかなと思います。
ただ,ここでご理解いただけたと思います。
自己中心的で,自己愛いっぱいで,ありのままを真摯に見ることのできない親は,子を傷つけます。
世に「モンスター・ペアレンツ」などという言葉もあります。
「モンスター・ペアレンツ」の夫婦は,まあ夫婦関係が良好であっても,子どもに対し,困った親となるでしょうが,ここに離婚問題が持ち上がると,子どもがどういう状態に置かれるか,想像すると怖いものがあります。
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