こんにちは、本日は3月11日(月)、あの東日本大震災から2年が経ちました。
あらためて、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、被害にあわれたみなさまにお見舞い申し上げます。

さて、随分とブログを更新していなかったので、しばらく前の話題で恐縮ですが・・・
去る3月3日(日)、しもだて地域交流センター・アルテリオで開催された「第10回波山の夕べ 波山とともに50年 ろくろ師 現田市松の生涯」に行ってきたのでご紹介します↓

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「波山の夕べ」は市民グループ「下館・時の会」(会長・一木努さん)の主催するイベント。
筑西市出身の陶芸家・板谷波山先生(明治5年~昭和38年 陶芸家として初の文化勲章受章者)について語り合おうと、毎年、波山先生の誕生日である3月3日に行なわれています。

第10回となる今年の「波山の夕べ」では、波山先生の片腕として轆轤成形を担当した生涯のパートナー現田市松さんにスポットをあてて開催されました。

明治43年ごろに石川県小松市から上京した現田さんは、その後50年有余り常に波山先生とともにあり、轆轤師として、時には家族同様に先生を支え続けました。
その性格は、誠実、実直でとても優しい人だったといいます。
昭和38年に現田さんが交通事故で亡くなると(享年78歳)、波山先生は「両腕をもがれたようだ」とひどく落胆したそうです。
そして同年、現田さんの後を追うように、波山先生は病気(癌)で亡くなりました。
今年は波山先生没後50年ということで、全国で多くの展覧会などが企画されているようですが・・・
実は、現田さんの没後50年でもあるのです。

写真左は波山先生、右が現田さん↓

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さてさて、今回主にお話を聞かせてくれたのは、こちらのお二人、
かつて波山先生も教鞭をとったことがある石川県立工業高等学校で、現在、陶芸を指導する濱岸勝義さん(写真左)と、戦時中にふるさと下館へ疎開していた波山先生に作陶の場を提供した、つくば市洞下の陶芸家・古宇田正雄さんの長男・昭夫さん(写真右)です。↓

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そのほか今年も大勢の関係者の皆さんがお見えになり、波山先生について語ってくれました↓
上左:波山先生の孫で、筑西ふるさと大使の板谷駿一さん
上中央:波山研究の第一人者で、学習院大学教授の荒川正明さん
上右:波山先生の孫で、筑西ふるさと大使の村田あき子さん
下左:映画HAZANで使用された波山作品の複製を制作した、陶芸家の斉藤勝美さん
下中央:ステインドグラス史研究家で、ステンドグラス作家・小川三知と波山先生の交流についても詳しい田辺千代さん
下右:日本有数の古陶磁修復家で、波山作品を陶片から修復している繭山浩司さん

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会場には初公開となる波山先生の作品や現田さん名義の作品など、貴重な展示も行われました。

現田さんが自らの菩提寺に寄贈したという波山先生の作品(花瓶)↓

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繭山さんによって陶片から修復された波山作品↓

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現存するものは数少ないという、現田さん名義の作品(盃)↓

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同じく現田さんの作品(茶器)↓

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というわけで、「第10回波山の夕べ」のご紹介でした。