Webであなたの夢が叶う!のHirokoです。
Webで数学、
囚人のジレンマとは?についてです。
前々回のジョン・フォン・ノイマンのおはなしのなかで、
「囚人のジレンマ」について触れましたので
今回はもう少しだけお話ししたいと思います。
囚人のジレンマとは、
前回にお話ししたゲーム理論で起きる事象の一つで、
個人個人では最適な選択をしたとしても、
全体を通してみると決して最適にはならないという状況を
説明したものです。
問題:
二人の共犯の強盗があえなく警察に捕まりました。
連行された警察署で
犯人Aは、取調室①に
犯人Bは、取調室②に
収容され、刑事たちがそれぞれを取り調べています。
状況証拠が少なかったため、
刑事たちは「自白」を引き出そうと
あることを犯人たちに言います。
取調室①の犯人Aには、
「もしお前が、犯人Bの罪を証言すれば、
犯人Bは懲役5年にするが、
お前は懲役1年にしてやろう!」
といい、
取調室②の犯人Bには、
「もしお前が、犯人Aの罪を証言すれば、
犯人Aは懲役5年にするが、
お前は懲役1年にしてやろう!」
といいました。
さらに
「だが、二人とも自白したらお前たち二人とも懲役3年だ!」
「もし、二人とも黙秘したらお前たち二人とも懲役2年だ!」
「どうだ!わかったな!!!」
と犯人A、犯人Bに告げました。
さあ、この状況で
犯人A、犯人Bの二人はどのような行動に出るでしょうか?
答え:
犯人A、犯人Bの行動と刑期を表にまとめてみましょう。
犯人B
黙秘 自白
犯 黙秘 (2,2)(5,1)
人
A 自白 (1,5)(3,3)
※(5,1)は(A、B)の刑期を表わします。
犯人Aは、
① 犯人Bが証言したとき、
自分が黙秘した場合:刑期は5年、
自分も自白すれば、刑期は3年で済むので、
自白したほうがよい。
② 犯人Bが黙秘したとき、
自分も黙秘すれば、刑期は2年、
自分が自白した場合:刑期は1年で済むので、
自白したほうがよい。
と考えます。
どちらにしても自分が自白したほうが
刑期が短くなるわけですから、
犯人Aは「自白」すると結論を出します。
犯人Bも、
同様に「自白」すると結論を出します。
しかし、
犯人A、犯人Bの二人ともが「黙秘」を選ぶと、
二人とも刑期は2年で済むことになりますので、
実際は「黙秘」のほうが得ですね。
なのに、
犯人A、犯人Bの二人ともが
わざわざお互いに損になる選択肢を選ぶことになります。
このように
犯人A、犯人Bは各々、
自分にとって最適な答えを選んだつもりでも、
全体を見たときに、
明らかに最適ではない結論に達してしまう・・・
こんな状況のことを
囚人のジレンマと言います。
各々が合理的に行動すればするほど、
当事者間の協力が困難になる状況ですね。
こんな状況は私たちの身の回りにありますね。
例えば・・・
恋愛、受験、就活、環境問題、
そして、
各国の貿易問題など
囚人のジレンマは、
制限されたコミュニケーションの中で、
再選択ができない状況下で生まれます。
そのようなお互いに不利益な状況そのものを
まず見なおして、
全体をみながら話し合いができると、
私たち個人個人の幸せ度もアップするのではないでしょうか?
さて、
あなたは今日、
どんな制限を取り去りますか?
あなたのその行動が、
世界平和をもたらすかもしれませんよ。
